政府の総合科学技術会議の提言で、「マイクロドージングを含む探索的早期臨床試験について、その導入に向けて欧米のような指針を早急に検討する」として、平成19年夏、結論となっている。また、「医薬品の臨床試験のための非臨床安全性試験の実施時期についてのガイドライン」(「ICH-M3」)見直しのための正式のExpert Working Group が平成18年秋に立ち上がり、改訂ICH-M3ガイドラインは平成19年下半期にはStep 2に、同、秋には最終化される見込みである。

マイクロドーズ臨床試験の目的は、薬物動態面からの開発候補物質スクリーニングを行うことである。薬物動態的に優れた化合物とは、“単に吸収性の良いもの、半減期が適切な値であること”、ということにとどまることなく、“薬物間相互作用を受けにくい、個人間変動が少ない、病態の程度による動態の変動が小さい、副作用の原因となる可能性の高い活性代謝物の生成が少ない、分子イメージング技術(特にPET)を用いることにより評価可能な薬効標的のある部位への移行性が大きく、副作用標的のある部位への移行性が小さい”などの動態特性も含む。これらの動態特性が最適の化合物を市場に出すことは、開発の成功確率の上昇のみでなく、同種の薬の中で市場での占有率が最大の医薬品(Best in Class)の開発につながることは間違いない。

マイクロドーズ臨床試験、探索的臨床試験の制度整備により、アカデミアでの「治験外臨床試験」を「治験」へと引き込むことが可能となり、アカデミアにおける臨床試験実施体制が整備され、探索臨床試験の産学連携の促進にも期待できる。新ツール元年となることを期待するとともに、その実現に向けてベストを尽くしたい。


2007年新春展望特集


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