ヒトをはじめ多種生命体のゲノム解析が進展し、膨大な遺伝情報が蓄積してきている。DNA構造解析から得られる情報は、しかし、たんぱく質を構成するアミノ酸の結合順序であり、言わば単語のスペルが判明するだけで、それらの意味については不明のことが多い。
 従って、DNA巻物に記載されているドラマを繙くため、また、優れた生物機能を産業に利用するためには、先ず、生物種に対応した遺伝子情報解読用の辞書作成が必要となる。
 遺伝子情報を基に試験管内でたんぱく質を生産できる無細胞たんぱく質合成法は、このための有用な手段となるだろう。中でも、コムギ胚芽無細胞系は、高品質たんぱく質のハイスループット生産にその特性を発揮することから、次の研究段階となるタンパク質ネットワーク解析に向けても強力なパワーを発揮するだろう。      
 E. Buchnerの生化学を完成させるとともに、コンピューター中に生命体を構築しようする新規生物学分野(Digital Protein Biology)の創成などを夢見ながら、日本発の実用的な無細胞技術をベースとしたタンパク質解析基盤技術の確立を目指したい。


2007年新春展望特集




+オピニオン+プロテオーム++++