化石燃料の消費に伴う地球の温暖化の問題が深刻になるにつれ、我が国でもにわかにカーボン・ニュートラルな生物燃料(バイオ・フューエル)への関心が高まり、政府も積極的にこれに対応するという。
 しかしながら、我が国におけるバイオ・フューエルの生産は、国土の狭さと気候条件のためアメリカやブラジルなどと異なり、国際的にみてきわめて不利であり、現実的な方策はきわめて限られたものになる。
 我が国向きの方策として、廃材や木材、古紙、又は稲ワラなどから、これらの主要成分であるセルロース、ヘミセルロースなどをエタノールなどに転換することがよくいわれる。しかし、これと同時にやや長期的な課題になるが、我が国において新しいバイオ・フューエルの生産にふさわしい新しい生物種(資源)を創り出し、それを我が国で生育させるか、又はアジア亜熱帯、熱帯圏の諸国に供与し、そこで造られたバイオ・フューエルを我が国に輸入することも考えても良いのではないか。
 いずれにせよ、この問題は、ユニバーサルなアプローチが可能な、いわゆるゲノム創薬などとは異なり、我が国の気候や地政学上の条件と密接に関係しており、コスト・パフォーマンス、技術的な実現の可能性などからみて、どのような方策が我が国にとって最も望ましいのか結論を下すのはきわめて難しい。その点、より広汎な分野の専門家の活発な議論と意見交換が望まれよう。


2007年新春展望特集


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