2007年の医学・生物学を展望しますと次の期待が持てると思います。
 まず、「Human- Security & Well-Being」(人々の安寧とよりよき生存)という大きな目標のもとに、何のために研究するかという目標がより明確化され、さらに研究倫理の視点が色濃くなろうかと思います。
 分子生物学も、遺伝子やその発現機序を見つけるという作業のみならず、もう一度、生物学の原点に立ち戻り、遺伝と環境(Genetic & Epi-genetic)の狭間などをより明確にする努力が進むでしょう。生物学研究の哲学が問われると感じます。
 脳・神経科学では、高次脳機能の計測を通して「脳と心」の問題がさらに深く追求され、哲学・美学・倫理学といった人文学と自然科学の架橋・融合が進むと思われます。さらに、安全かつシンプルな光によるBMI(Optical Brain-Machine-Interface)などが福祉分野に導入され、「考えただけでものを動かす」という研究が現実のものとなると感じます。2007年度中に進むのは、以上述べた内容の序章と思われますが、このような萌芽研究が大切な時代に入ろうとしています。


2007年新春展望特集


+オピニオン+脳科学++