糖鎖は糖尿病、インフルエンザ、筋ジストロフィー、肺気腫、癌転移など多くの疾患の発症や発生・分化、再生、免疫などの生命現象に関わり、その重要性が高まっている。
 第1に、糖鎖異常が増殖因子受容体などのシグナルの機能異常を起こし、原因不明の疾患の成因として理解される。
 第2にタンパク質を標的とするだけでは困難なため、糖鎖を用いた癌の早期診断のためのバイオマーカーの開発が加速する。特に、高感度な質量分析法やレクチン・糖鎖アレー、多数の糖鎖遺伝子ライブラリーを利用した糖鎖合成法などの技術がこれに貢献する。
 第3に医薬品への基盤的な技術開発として、糖鎖改変抗体医薬など国際的に評価の高い技術開発が実現する。
 第4に学問体系として、糖鎖生物学がバイオインフォマティクス、ケミカルバイオロジー、構造生物学などを融合した新たな研究領域としてのシステム糖鎖生物学への発展など、着実で地道な基礎研究が期待される。


2007年新春展望特集


+糖鎖工学+オピニオン+++