農林水産省のゲノム研究は今年から新しい段階に入る。

 イネゲノムについては、我が国中心の国際コンソーシアムにより2004年に全塩基配列の完全解読が達成された。現在は、この解読情報を活用した研究が進展し、病虫害抵抗性や収量性をはじめ農業上重要な形質に関する遺伝子機能など100にものぼる特許が取得又は出願されている。また、ゲノム情報を活用して「コシヒカリ」を背が低く倒れにくくした新品種(品種出願中)がベンチャー企業によって開発され、農業現場での栽培が広がっている。また、ムギやトウモロコシはイネ科であるため、イネゲノム情報を活用できる。

 しかし、我が国の農業生産や食生活上、重要な地位を占めており、さらに最近ではエネルギー作物としても注目されているダイズについては、イネとの共通部分が7割程度しかなく、イネゲノム情報が利用しにくい。このため、アメリカでは、昨年からダイズゲノムの解読に乗り出した。しかも、ダイズはアメリカの戦略作物であるためか、ヒトゲノムやイネゲノムの時と違い、アメリカは単独で解読しようとしている。
 
 このままでは、国際的な知財競争に我が国は立ち遅れてしまう。そこで、平成19年度の政府予算案には、ダイズの重要部分のゲノム解読事業を計上した。産学官を問わず研究勢力を結集して取り組み、ゲノム情報を利用したDNAマーカー育種により、食品メーカーのニーズに合った品質のダイズを安定的に供給できるようにすることが目標だ。将来的には、豆腐や煮豆などの食用ダイズの自給率の100%達成に貢献するねらいだ。皆様の御支援をよろしくお願いしたい。


2007年新春展望特集


+先端ゲノム+オピニオン++