植物工場を用いる分子農業に注目したい。分子農業は遺伝子組み換え技術を応用して植物で高付加価値物質を生産する技術である。

 我が国の分子農業の研究は世界的水準にある。たとえば、食用作物でヒト・家畜のワクチン、治療薬および予防薬などの医薬製剤原料を作る研究開発がなされている。食用作物は栽培技術の蓄積があり、生産性が高い。食用作物の可食部に有用物質を蓄積すれば「食べるワクチン」や「食べる薬」を作ることができる。

 光源に人工光を用いる植物工場は、葉菜類の野菜工場と野菜・花の苗生産で商業化されている。我が国が世界をリードする密閉型植物工場は、ガス、水、培養液をリサイクルし、気象や病害虫の影響を受けない最適な生育環境を提供できる。そこで遺伝子組み換え植物の能力を最大に発揮させれば、高効率で安定的に有用物質を生産できる。

 植物工場を用いる分子農業はバイオテクノロジー、農学、工学、医学の融合という点で極めてユニークであり、実用化を目指した研究開発の進展を期待する。


2007年新春展望特集


+グリーンバイオ+オピニオン+++