日経BP社バイオセンターが手掛ける食の機能と安全を考える専門情報ウェブサイト「FoodScience(フードサイエンス)」はこのほど、食関連の企業名や製品名など200ブランドを対象に、消費者が安全だと認識し、安心して購入(喫食)している「食の安全・安心ブランド」を評価した調査結果をまとめ、報告書「食の安全・安心ブランド調査2007」を発行した。今回で3回目となる今年の結果は、「アサヒビール」が総合得点で1位となった。上位が総じて得点を下げた中で、「味がよい」「社会に貢献している」といったイメージ項目において前回調査を上回るポイントを獲得し、前回の2位から浮上した。

 この調査は、BSE(牛海綿状脳症)や残留農薬、食品添加物、さらに相次ぐ食品偽装事件など、食の安全・安心問題に揺れる食関連業界の安全確保の取り組みが、消費者にどのように伝わっているか、そして消費者がそれぞれをどう評価しているかを調べたもの。具体的には、消費者が安心感を形成する心理的過程をたどり、その中で食の安心感を構築する「原材料にこだわりがある」「トラブル時の対応が優れている」といった17のイメージ項目で重み付けするなど、各種統計的手法を用いながら算出した偏差値を総合得点とし、順位付けをした。

 「アサヒビール」の勝因は、「社会に貢献している」というイメージ項目の得点アップだけではない。消費者側も、食の安心を形成する要素としての「社会に貢献している」を前回以上に重視する傾向を見せており(寄与率のアップ)、総じて「アサヒビール」の躍進につながった。昨今、企業のSCR活動が盛んになっており、その効果が消費者にも届き始めたことが読み解ける。

 一方、下位ブランドは前回よりさらに得点を落としており、食への不信感の再燃が示唆される。今年は、1月の米国産牛肉の輸入再停止に始まり、3月のアガリクス問題など、消費者の食への不信感が再度高まった1年でもあった。

 現在、日本の食のリスクの問題解決の1つの方法として、立場の異なる関係者が一堂に会して議論を重ね、相互に理解し合う「リスクコミュニケーション」という手法に注目が集まっている。しかし現実には、消費者の一部の代表が意見交換会で主張するのにとどまり、サイレントマジョリティたる真の生活者の意向はつかみにくい状況だ。そんな中でこの調査結果は、リスクコミュニケーションに取り組む食品企業の指標となり、直接役立てもらえるものと考えている。(中野栄子)
■「食の安全・安心ブランド総合得点」上位10位
順位前回ブランド得点前回
12アサヒビール73.072.1
21サントリー71.273.6
33キユーピー69.871.8
45伊藤園67.067.8
54キリンビール66.467.9
65カゴメ65.367.8
67キッコーマン65.366.4
815モスバーガー65.264.6
99アサヒ飲料65.065.7
1011味の素64.965.1
1016日清食品64.964.0

■なお、本調査結果は報告書5冊にまとめており、販売中。販売資料はこちらのPDFファイルをご覧ください。購読のお問い合わせは医療局販売まで。mailto:yminamot@nikkeibp.co.jp