メタゲノムを特集した「BTJジャーナル9月号では、ゲノムシーケンスの第一人者である東京大学服部正平教授(関連記事)の著書『ヒトゲノム完全解読から「ヒト」理解へ アダムとイヴを科学する』(東洋書店)を、書籍欄で紹介しています。

 1996年2月のバミューダ会議後、96年5月に設立された21番シークエンスコンソーシアムは、日本からは服部氏が所属する北里大学/東京大学(のちの理研チーム)と慶應義塾大学の2チーム、ドイツからはMaxPlank研究所など3チームが参加しました。

 当初、ヒト21番染色体の約34Mbの分担量は、日独が12Mbずつ、残りの10Mbは実績をもとに解読を進めるとされましたが、当時ドイツは日本に比べ数倍の規模の設備と人員を持っていて、このプロジェクトの主導権をとろうとする姿勢が明らかでした。

 ところが、2000年3月に21番染色体が全解読されてみると、服部氏らの理研チーム)だけで18Mb、これに慶應大学の7Mbを合わせると全体の70%を日本が解読していたのです。

 独自のネスティドレーション(ND)法を開発したことがドイツとの競争に打ち勝つことに大きく貢献したと、服部教授はこの著書で打ち明けています。

 服部氏はもともとの専門は高分子化学。企業からの派遣で32歳のときに九州大学に派遣されたことがきっかけとなり、それから20余年にわたりゲノム解読をリードしました。この著書から学ぶべき点は多いと思います。

 BTJジャーナルの「書籍紹介」コーナーもぜひ、お楽しみください。(BTJ編集長 河田孝雄)

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BTJジャーナル2006年9月号目次■

2 リーダー・インタビュー
 メタゲノムの“メタ”とは
 服部正平・東京大学教授
 高見英人・JAMSTECプログラムディレクター
9 リポート
 高速化するDNAシーケンサー
11 連載「研究者キャリアパス日米比較」
 第5回 大学教育のシステム(前編)
13 連載「プロが教えるラボ清掃術」
 第4回 実験台、流し、水まわり(その1)
15 連載「キャリアチェンジ研究所」
 第3回 旅の果てにバイオに戻る
19 ウェブサイト紹介
20 書籍紹介
21 カレンダー