「ミスコンダクトがあると答えた学会は113学会、全体の13.5%を占めた」「不正の4割は、妬み、嫉妬、上司との人間関係が上手くいっていないなどからおこる」──。

 2006年2月24日に都内で開催したBTJジャーナル創刊記念セミナー「科学者の論文ねつ造事件の背景とその防止策」(関連記事1)で、日本学術会議の「科学者の行動規範検討委員会」の委員長をつとめる浅島誠・日本学術会議副会長はコメントした。

 いちはやく03年6月に「科学における不正行為とその防止について」、次いで05年7月に「科学におけるミスコンダクトの現状と対策──科学者コミュニティの自律に向けて──」をとりまとめた日本学術会議は、科学者の行動規範について06年10月までに最終報告書をとりまとめる計画。まずは4月中に中間とりまとめを発表する。

 2月24日のセミナーで浅島副会長は、科学者の行動規範として次の6点を示した。

※科学者の行動規範について
1)科学者、コニュニティー自身(大学、研究所、学会、企業など)がいかに自律的に行動規範を作りうるか
2)組織の中で、規範に反するような芽が出たときに早めに対処するシステムの構築
3)科学者が置かれた立場(資源配分、ポジション、国際的競争、評価など)の環境改善
4)学及び研究に対する国民からの信頼回復へのロードマップ作り
5)産学官連携や利益相反など、いままでとは異なる状況に対する教育の必要性
6)規範作りにおける学問の自由を活性化の保障

 詳しくは、3月末に公開したBTJジャーナル06年3月号(創刊第3号)に掲載中(関連記事2)。



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創刊記念セミナーのレポートは、P.5─8に掲載しています。

創刊セミナーのプログラムは、以下の通りです。

1.「論文捏造事件と科学の危機」
日本学術会議 会長
黒川 清 氏

2.「科学者に求められる行動規範」
日本学術会議 副会長 科学者の行動規範検討委員会 委員長
浅島 誠 氏

3.「何故、論文捏造事件が起こるのか? その背景と防止策」
愛知淑徳大学 文学部図書館情報学科 教授
山崎 茂明 氏

4.「理研の不正行為への基本的対応策」
理化学研究所 理事
土肥 義治 氏

5.「ブルーノート:紐育へ飛んだ日本企業の研究日誌」
協和発酵 バイオフロンティア研究所 リサーチフェロー
中野 洋文 氏

6.パネルディスカッション
「どう防止し、社会の信頼を回復するか」
浅島 誠 氏、山崎 茂明 氏、土肥 義治 氏、中野 洋文 氏、
竹岡 八重子 氏(センチュリー法律事務所 弁護士)
司会:宮田 満(日経BP社バイオセンター長)