技術と経営の専門出版社、日経BP社の取材能力の総力を挙げて審査する、日経BP社技術賞の表彰式が、2006年4月7日、ホテルオークラ(東京・港)で開催された(関連記事)。表彰の対象は、生産に繋がる一歩手前の優れた基盤技術である。産業にインパクトを与える基盤技術を、バイオから電子、環境、建設まだ幅広い分野から選抜する。

 審査の手法は、対象期間内に日経BP社のメディアで取り上げた技術の中から、各分野の編集部が受賞候補ノミネート、それを各界の専門家から公正される審査委員会が最終的に選定するもの。

 2006年日経BP技術賞大賞は、「フェムト秒レーザーを使った、たんぱく質結晶化技術」が選定された。従来の結晶化技術とは隔絶したフェムト秒レーザーをたんぱく質溶液に照射して、結晶核を形成し、結晶形成を促す優れた技術だ。大幅に結晶化の時間を短縮することにも成功した。230種のたんぱく質に応用し、現在までに結晶化成功率は70%という好記録を得ている。また、結晶化は静置という今までの常識を覆し、たんぱく質溶液を撹拌する技術により、結晶を大型化し、X線結晶解析に適した質の高い結晶を得る確率も向上した。

 こうした技術がバイオ医学系の審査委員ばかりでなく、半導体など無機結晶化技術に造形の深い他分野の審査員にも評価された。また、レーザーという工学分野とバイオの学問融合、そしてこの技術に基づいて、大学発ベンチャーまで創立した産学融合も高く評価された。

 大賞受賞者は、大阪大学大学院工学系研究科佐々木孝友教授、同森勇介助教授、同井上豪助教授、同高野和文助教授、同大学産業科学研究所村上聡助教授、そして株式会社創晶安達宏昭代表取締役社長だ。

 その他、バイオ関連では、「国産初の抗体医薬品『アクテムラ』」で、中外製薬MRAユニットの大杉義征サイエンスディレクター、同社創薬企画推進部土屋政幸部長、同社生物技術部平島親第3Gマネジャー、同社宇都宮工場の西井圭製造第3Gマネジャー、大阪大学大学院生命機能研究科免疫制御学講座岸本忠三教授、同西本憲弘教授、同大学保健センター吉崎和幸教授が、日経BP技術賞部門賞を受賞した。

エコロジー部門賞に選ばれたユニチカとNECの「高耐久性の植物由来プラスチック『テラマック』」は、米Cargill Dow社が製造するポリ乳酸を原料に用いている。(宮田満、河田孝雄)


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