ヒトクローンES細胞に関する韓国のスキャンダルが飛び火して、日本でもねつ造疑惑に対する問題が高まっている。研究者が肝に銘じておくべきことは──。日本のES細胞研究をリードする中辻憲夫・京都大学再生医科学研究所所長と、西川伸一・理化学研究所発生・再生科学総合研究センター幹細胞グループ・ディレクターにインタビューした。

1)中辻憲夫・京都大学再生医科学研究所所長のコメント

 「ポストや研究費の誘惑はあるものの、研究者にとって『信用』は最大の財産。データの改ざんはもしやろうと思えばできる。しかし、それで悪い評判が立てば命取り。研究者のコミュニティーで信用されなければ、研究者のキャリアは成り立たない」

 「実験ノートについても、やったことはすべて1冊にまとめて書き込んでおくようにまず教えることから始まる。試薬の濃度の計算なども同じノートに書いておく。そうすれば、間違いがあった場合に、原因を後から把握できる」

 「さらに、『成功の結果だけでなく、失敗こそ報告するように』とも強調している。3回に1回しか成功しないようでは、その後の検証に耐えられないし、予想に反した結果を検討することで大発見につながるかもしれない。都合のいい結果だけを報告していては、一時的に学位などは取れても、長い目で見れば研究者生命の命取りになる」

2)西川伸一・理化学研究所発生・再生科学総合研究センター幹細胞グループ・ディレクター

 「どんなに研究費が回っていようと、やはり大事なのはintegrity(正直さ)とtransparency(透明性)。この2つをないがしろにしたら何も残らない。その上で検討すべきは、(再現可能性)を確保できるシステム。レビューの仕組みを考えること」

 インタビューの詳しい内容は、バイオ研究者のキャリア/スキルアップを支援する月刊のPDFマガジン「BTJジャーナル」の創刊第2号で、トップ記事「リーダー・インタビュー」として4ページにわたり掲載し(関連記事1)。



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