東京大学大学院工学系研究科の多比良和誠教授らのRNA論文について調査を進めてきた東京大学工学系研究科調査委員会は「9カ月にわたって精査、検討してきたが、(再実験を要請した)4本の論文の正当性を裏付ける科学的な存在のデータを確認することはできなかった」とする調査報告をまとめ、2006年1月25日に東京大学総長に提出した。
 韓国のES細胞スキャンダル以降、科学研究のミスコンダクトに対する関心の高まりを反映し、27日に開かれた記者会見にも一般のメディアが多数参加した。
 会見の冒頭、平尾公彦・東大大学院工学系研究科長は「病める科学の跋扈を許してしまったのは非常に遺憾」と今回の件を強く批判。データの信頼性に関する調査報告がまとまったことを受け、筆頭著者の川崎広明助手、多比良教授などの責任を追及する調査委員会を工学部内にあらためて立ち上げ、大学の懲戒委員会に諮るか否かの結論を1カ月以内に出す方針を明らかにした。
 調査報告および会見の詳細は続報する。(石垣恒一)