BTJで8月に募集、選考したわが国の大学院生・学部生4人が参加した台湾のNovartis International Biotechnology Leadership Camp(2005年9月23日~25日)が無事終了した。同キャンプは、台湾政府と台湾Novartis社が共催、台北市に日本、台湾、タイ、香港、韓国、ポーランド、オーストラリア、フィリピン、シンガポール、インドネシア など、世界10カ国から選抜された学生36人を集めて、バイオとビジネスを“英語で”学び、討論した。国別のプレゼンに加え、各国の学生とチームを組んで、バイオのビジネスプランを作製、発表する試みも行われた。これだけ多様な学生と歯に衣を着せずに英語で討論することは、国内では期待できない。試練をくぐり抜けた学生に新たな自信が宿ったことは間違いないだろう。
 日本から参加した東京大学大学院農学生命科学研究科の坂本英樹氏は、「異なる国、文化を背景に持ちながら、バイオの知識があり、ビジネスに意欲的であるという共通点を持つ若者たちとの共同作業は、知的で大変刺激的でした。このネットワークの中から将来ビジネスが生まれることになると確信しています」と振り返る。
 講師陣には、台湾・中央研究院の李遠哲院長(1986年ノーベル化学賞受賞者)、Novartisグループトップマネジメントほか、各国政府研究機関、バイオベンチャー企業トップなどの世界一流の科学者、経営者を取りそろえ、バイオ分野の人材育成を通じて、アジア・パシフィック地域のバイオ産業振興に貢献することを目的としている。
 基調講演では、 「SARS(重症急性呼吸器症候群)などの新たな脅威には、世界が一つになって解決に取り組まなければならない」と指摘、科学者が果すべき役割の大きさと国際協調を強調しました。スイスNovartis Coporate ResearchのPaul Herrling部門長は、「ゲノム情報の解読で、疾病のメカニズムの解明が進み、医薬品は対症療法から根本治療あるいは予防治療へと急速にシフトしている。実際、アルツハイマー病のワクチンが生まれる可能性も現実味を帯びてきた」と、アルツハイマー病を例に取り、最先端の創薬手法を紹介した。
 Novartisグループでは来年もBioCampを行うことを検討している。BioCampの成功を見ると、人材養成のために、わが国の若手研究者にも、なるべく早く、ビジネスと国際化のシャワーを浴びる機会を、なるべく多く用意しなくてはならない。(宮田 満)


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