悪戦苦闘の結果、第4期のバイオファイナンスギルドの実習が無事終了しました。そこで結果報告を。
 PCRによる緑色蛍光たんぱく(GFP)の遺伝子増幅、GFP遺伝子とその変異型である黄色蛍光たんぱく(YFP)遺伝子の組み換え、そして最大の焦点であったメタボローム分析、いずれも全グループが結果を出すことに成功しました。唯一の例外を除いて。
 慶応義塾大学先端生命科学研究所とヒューマンメタボロームテクノロジーのスタッフからは「高校生より凄い」と褒められ、なんだか複雑な気分でした。
 参加者が肩が凝るほど細心の注意を払って実習したことに加え、実験のプロとコールも練れていたためか、大きな頓挫や事故もなく、極めて円滑に実習が終了しました。支援スタッフの皆さんと鶴岡市の応援に感謝いたします。衆議院選挙を控え、本当は超多忙だった鶴岡市長の富塚さんには、わざわざ宴会にお越しいただき座を盛り上げていただきありがとうございました。
 さて、その唯一の例外ですが、メタボロームの実験で起こりました。今回の実験では、バッファリン(サリチル酸とアンフェタミン)小児用バッファリン(アンフェタミン)をそれぞれ飲む前と飲んだ後の尿を採取、バッファリンの薬効成分の代謝産物のプロファイリングしようという実験です。その結果、どちらかを飲んだか当てることができるはずでした。15人の尿を解析しましたが、14人まではくっきりと、バッファリンの薬効成分の代謝産物が投与前にはなく、投与後3時間に現れてのですが、唯一1人のサンプルでだけ、投与前にもサリチル酸の代謝産物のピークが現れ、スタッフに大恐慌を引き起こしました。
 検討に検討を重ねてあらゆる可能性を排除したスタッフが意を決して、「聞いてみる」と覚悟、そのサンプルの提供者に「頭痛薬など飲んでいませんでしたか?」と密かに、そして丁重に詰問した結果、「時差ぼけで1日前の晩に薬を飲んだ」ことが発覚、予期せずしてメタボロームの高感度さを印象づけることになりました。この分なら、臨床試験のコンプライアンスの管理や投薬量と効果、副作用の精密な解析にメタボローム解析は十分使用できるはずです。副作用や作用の代謝マーカーを見つけることも可能でしょう。個の医療の実現にメタボロームが貢献しそうです。
 そして何より、ご老人の医薬品の飲み忘れや医薬品相互作用による副作用の排除など臨床現場でも、コストダウン(装置だけで1億円もします)をもっと推し進めれば利用できる可能性を体感しました。やっぱり、やってみなくては分からないことは多いのです。来年はどんな先端技術に挑戦しようか、わくわくしながら帰途に付きました。また、来年もご期待下さい。
 最後に、9月9日12:00ー13:00、BFGの主要メンバーが現在のバイオベンチャーの上場の状況を分析、今後の方向性をばっさりと討論する緊急パネルディスカッション「これでよいのか、バイオ投資」を、横浜で開催されているBioJapan2005で行います。まずは、ここから事前予約をお急ぎ下さい。登録料は無料です。ランチョンセミナーですが、お昼はありません。(宮田満)