製品評価技術基盤機構(NITE)が、順天堂大学と共同研究でブドウ球菌(Staphylococcus haemolyticus JCSC1435)の全ゲノム解析を終了、6月30日に、NITEホームページ上のゲノムデータベース(DOGAN)で公開した。
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ブドウ球菌(Staphylococcus haemolyticus JCSC1435)の全ゲノム情報を公開

製品評価技術基盤機構(NITE)では、順天堂大学との共同研究で取り組んできたブドウ球菌(Staphylococcus haemolyticus JCSC1435)(以下S.haemolyticusという)について、このたびゲノム解析を終了し、6月30日付けで、NITEホームページ上のゲノムデータベース(DOGAN)により、全ゲノム情報の公開を行った。
 S.haemolyticusは、ヒトの皮膚・粘膜に常在するStaphylococcus属の一種である。本菌は各種抗菌薬に対する耐性獲得がStaphylococcus属の中でも、最も早いとされている。グリコペプチド耐性の獲得はS. aureusよりも早くから報告されている。病原性はS. aureusに比べて低いが、免疫力の低下した患者においては院内感染症の原因となり、腹膜炎、敗血症等各種感染症の原因となるとされている。他のStaphylococcus属菌、特に既にNITEで解析した2種のS.aureusとの比較を行うことにより、Staphylococcus属菌の進化を理解するとともに、S.haemolyticusの高頻度な薬剤耐性の獲得メカニズムを明らかにすることができると期待されている。
 このゲノムの顕著な特徴の一つは、多種多様なインサート配列を含むリピート配列の多さであり、これらのリピートはゲノムの約5%を占める。同定されたインサート配列の中には、他の関連Staphylococcus属細菌への抗生物質耐性の伝搬を伴うものもあると考えられている。
 なお、S.haemolyticusの解析結果から得られた成果は、日本DNAデータバンク(DDBJ)からも公開されている。


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