皆さん、おはようございます。朝のCNNが「6時半から反バイオ団体のデモがBIO2004に抗議行動を予定している」と報道しました。これは行かない訳には行きません。7時半から始まるブレックファースト・セッションが始まるMoscone Centerの周辺は、San Francisco市警察が警戒線を張り、厳戒態勢です。
 反対運動の団体はざっと200人程度、警官隊はその5倍はいる感じです。警官隊と反対派の間を恐る恐る会場に向かいますが、その間に「組換え食品なんか糞食らえ」といった罵声が浴びせられます。
 中にはトマトの着ぐるみを着た、上品なおば様たちもいましたが、やはり残念ながら普通の市民とはいい難く。プロフェッショナル市民運動のような方が多かった。意外に若い人が少ないのも印象的でした。
 前回のWashington D.CのBIO2003やカナダMontrealのBIO2003では反対運動はまったくなかったのですが、BIO2001のSan Diegoでは少数ですが抗議行動がありました。
 「カリホルニア州特異的な現象だよ。戦争にしろ、組換え食品にしろとにかくデモの多いところだ」というのが参加者や地元の市民の一般的な意見というところでしょうか。
 いずれにせよ、カリホルニアはバイオ発祥の地でもありますし、ベトナム反戦運動を生んだ地でもあります。つまりカウンター・カルチャーがまだ脈々と続いており、それがバイオという技術革新を生む、エネルギーを生んだことも認めなくてはなりません。
 今回のBIO2004の標語である「Where it all began」は、バイオの反対運動もこの地から生まれたことも意味しているのです。
 「組換えトマトの糞ったれ」などの罵声を受けながら、バイオという技術革新の鏡の裏と表の狭間を潜り抜けている気分を味わいました。
 彼らが全てバイオに理解を示すことは期待できないでしょうが、彼らの健康や彼らを取り巻く環境をバイオ産業が少しでも改善することによって、一人でも多く理解者が増やすことに努力しなくてはなりません。
 バイオ産業は理念から、既に現実でもって反対派を説得する時期に到達したと言えるでしょう。Monsanto社は組換え除草剤耐性の春小麦の実用化を、市場の縮小と消費者の反対を理由に今年凍結しました。代わって、同社は抗肥満作用があるダイズによって、新たに消費者の賛同を得るべく戦略転換をしました。
 「組換えトウモロコシはお化けだ」などと罵られながらも、その反対を技術革新のエネルギーに変え、彼らの懸念を少しでも減らすために、製品開発と情報発信を進めなくてはならないのです。
 しかし、予備銃弾まで持った完全武装の警官隊をあれだけ配備するのは、ちょっとやり過ぎですな。日本なら過剰警備と必ず叩かれるはずです。民主国家でありながら、力の支配が見え隠れします。アメリカもまた大きな矛盾を抱えて疾走中なのです。
 では、お元気で。(宮田 満@San Francisco)


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