米国のBush大統領は、6月23日、Washington D.C.で開催している世界最大のシンポジウム・展示会「BIO2003」に参加、今後もバイオ産業を支援し、米国がこの分野でのリードを保ち続けると宣言した。
 同氏が特に強調した点は、現在、米国議会に提出中の2つの法案の支援だ。第一はバイオテロに対する防御策を研究するため、60億ドルを投入するバイオシールド計画、第二は老齢者の健康保険制度である「メディケア」の改革法案である。
 バイオシールド計画は、60億ドルを投入して、バイオテロが利用する病原菌の検出システムとワクチンや治療薬の開発を促進する計画だ。「ヒト・ゲノム計画の二倍の予算を投入するバイオシールド計画は、現在、株価下落による不況に悩むバイオ産業にとってカンフル剤になる」(米国Burrill&Company社CEOのG.Steven Burrill氏)と概ね産業界は好意的だ。
 BIO2003の中でも、バイオテロを利用して新しいバイオ産業を興隆させりょうというセッションや、米国国防省との付き合い方などのセッションが用意されている。今まで平和産業として軍事と一線を画してきた米国のバイオ産業が、軍事産業化しつつある。
 但し、技術開発にこれがプラスになるかは疑問が残る。防衛産業は市場の洗礼を受けないため、非効率に陥ることは歴史的な教訓であるためだ。
 メディケアの改革に関しては、患者が医薬品や治療法を選択する幅を拡大、「バイオ産業が生み出す革新的な新薬の販売を助ける」と、Bush大統領は強調した。(宮田 満@Washington D.C.)