皆さん、おはようございます。今朝は、早朝6時くらいから、San Francisoco市内で、反戦デモが巻き起こり、目抜き通りのマーケット通りや、金融街をデモが埋めていました。本当は直ぐにも取材に行きたかったのですが、Redwood Cityで講演があったため、やっとたどり着いた時には、市内各所を封鎖している警官隊と、写真のように三々五々、流れ解散をした反戦デモの小グループを見かけるだけでした。
 金融街にあるJETROで会食をした際に、JETRO San Francisco所長の田中さんが「大変な騒ぎで、出勤した職員がこのビルに車を駐車することができなかった。しかし、学生紛争を経験している世代としては、極めて穏やかなデモで、警官隊も力づくで排除はしていなかった」と教えてくれました。
 TVニュースでは500人程度の逮捕者が出た模様ですが、暴力反対の反戦でもですから、大きな混乱はなかったと判断します。実際、デモに参加している人たちも、日本の反戦運動にありがちの、半ばプロ化した集団ではなく、まったくの市民です。手製のプラカードを掲げたり、太鼓などを叩いて規制を上げ居ます。すれ違う通行人との間で、盛んにVサインを交換している光景も見ました。
 昨日のメールでメディアに操作されて米国は市民社会の健全さを失ったと書きましたが、少し見直さなくてはなりません。Washington DCなど各地でも反戦デモが自然発生しています。
 湾岸戦争の時もデモはありましたがもっと小規模で、開戦した後は、兵士の脚を引っ張ることはしないという暗黙の愛国心から、反戦デモはほとんど起こらなかったようですが、今回の戦争では様子が違いました。アメリカは、現政権が悪役としているサダム・フセインをもってしても一枚岩にはならず、社会の分裂を露呈したようです。一種の米国社会の健全さが残っていたことに関心しています。
 JETROで現地の日本のバイオ関連企業と昼食をいただき、B-Bridge社の桝本社長にサインをもらって参りました。同氏はバイオ・ベンチャー企業の社長としては初めてNHKの素人喉自慢大会でグランド・チャンピョンとなった偉人です。相変わらず元気で、siRNAのベンチャー企業を最近設立したと目を輝かせていました。
 そのご、ベイブリッジを望む再開発地区、Mission Bay Projectを視察、米国カリフォルニア大学San Francisco校の新キャンパス・プランに感動を覚えました。古い操車場や倉庫街を、完全に大学の新キャンパスを中心としたハイテク・ゾーンと住宅地区に変貌させようという野心的な計画です。経済情勢が悪化、やや苦戦しているようですが、既に、米国の元祖バイオ・ベンチャーが1億ドル寄付して建設されたジェネンテック・ホール(総工費260億円)は完成、既にUCSFのバイオ関連ラボが引越ししつつありました。最終的には900人の研究者が働く一大バイオ研究拠点となるでしょう。この他、神経科学研究所の建物もほぼ完成していました。しかし、まだ全体の計画の20分の1も完成しておらず、15年後には壮大なキャンパスが誕生します。
 しかも、この新キャンパスは従来の大学が固持していた学部の壁を取り払った、学際的な研究を進める仕組みが建設時から導入されている点が卓越しています。
 ジェネンテック・ホールの隣に建設中のビルはバイオ・インフォマティックスのビルで、完成時には橋で結ばれ、バイオとITの融合を促進する舞台装置ができるという仕掛けです。
 同じ操車場の再開発でも、メディアと広告会社、ホテルとオフィスしか構想できなかった、わが国の汐止めとは大違いでした。米国も欧州も、知識資本主義において、産業のエンジンは大学であることを明確に認識して、具体的に手を打っています。私たちも本気で、大学と社会の関係を再考する時を迎えたのです。(宮田 満@San Francisco)