生体分子とナノテクノロジー」シンポが下記の要領で開催される。最新情報は「バイオ関係者、皆のホームページ」学会・補助金欄、もしくはHot Newsの上フレームにある分野別Hot Newsセミナー学会を選択してアクセスできる。
バイオ関係の学会・セミナー情報は、毎日、午前・午後更新。どうぞ毎日2回以上ご確認ください。


●公的な学会、研究会の告知募集は無料掲載、企業が開催するセミナー告知は有料です。詳細はmiyata@nikkeibp.co.jpまでメールください。


生体分子とナノテクノロジー」シンポ案内
  生物学と応用物理学の学際領域からは、次世代の半導体素子や光機能素子などの開発につながる、これまでにないユニークな研究が急速に進展しつつあります。10月16日から京都で開催される第74回日本生化学会大会の中のシンポジウム「生体分子とナノテクノロジー」(大会2日目の15日、午後1時45分から4時15分まで京都宝ヶ池プリンスホテルの高砂会場で2S33として開かれます)では、このようなナノバイオテクノロジーの研究者4名の方の講演がおこなわれます。

タンパク質などの生体高分子は、そもそも自己集合能力や無機結晶成長制御能力といった、ナノテクノロジー分野での利用価値が高い性質を持つものが少なくありません。例えば、バクテリアの細胞表面には、「S層タンパク質」が自己組織化した二次元結晶構造が存在する。このS層をマトリックスとして利用して、金属粒子などを整列させ、バイオチップを作成しようとする仕事をオーストリア農大のDietmar Pum博士にお話しいただきます。

ウイルス粒子そのものを「分子カプセル」として利用して、ナノスケールの金属粒子を閉じこめようとするのが、モンタナ州立大学のTrevor Douglas博士です。その応用研究として環境中の毒物を解毒する活性をもったクロム金属封入ウイルス粒子お研究も紹介される予定です。

このような自己集合、自己組織化能力に加え、タンパク質にはバイオミネラリーゼーション現象として知られている、無機結晶成長制御能力をもちます。最近、珪藻からシリカ形成促進活性をもつタンパク質が同定されましたが、シンシナチー大学のStephen J. Clarson博士らは、このタンパク質からモデル化したペプチドと、2光子励起光重合法とを組み合わせることによって、基板上でのナノスケールでのシリカ球の整列にいち早く成功したことで有名です。最近の展開をお話していただきます。

ニューヨーク大学のJohn S. Evans博士は、このような無機結晶成長制御能力をもつバイオミネラリゼーションタンパク質のNMRなどを用いた構造生物学的な解析を進めています。その研究からは、バイオミネラリゼーションタンパク質は、側鎖の自由度の大きい、「柔らかい」タンパク質構造が重要であるといった結論が導き出されています。これまでの酵素や構造タンパク質では、タンパク質のしっかりと折れたたまった構造が注目されてきたわけですから、タンパク質に対する、これまでの認識に変える新しい知見として注目されています。

オーガナイザーは癌研の芝清隆と松下電器の山下一郎です。第74回日本生化学会大会の中のシンポジウムですので、ご興味のある方は、http://edpex104.bcasj.or.jp/jbs2002/をご覧の上、大会に参加してください。