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医科研学友会セミナーのお知らせ
 東京大学医科学研究所学友会セミナーをお知らせします。
皆様のご参加をお待ち申し上げております。


開催日時:平成13年9月24日(火)午後4時から午後5時半
場所:東京大学医科学研究所 アムジェンホール大会議室

演題:CD1分子を介した脂質抗原提示〜感染免疫の新たなパラダイム

講師:日本医科大学・医学部・微生物免疫講座・杉田 昌彦 教授

概要: 主要組織適合抗原(MHC)クラスI分子、クラスII分子が、蛋白抗原由来のペプチドを結合して、T細胞に抗原提示するという現象は、近代免疫学における中心的パラダイムであり、微生物感染に対する特異的免疫応答のしくみが、このパラダイムに基づいて説明されてきた。しかし、もしT細胞が認識する抗原が蛋白断片であるペプチドだけであるとすれば、生体防御の観点から合理的ではない。微生物は、ペプチドをコードする塩基配列の変異を繰り返すことにより、容易に免疫系の網を潜り抜けることが可能となろう。
これに対して、最近の研究から、抗原提示の新しいパラダイムが確立されようとしている。すなわち、「CD1」と呼ばれる分子が、脂質を結合してT細胞に抗原提示することが明らかとなった。免疫系が蛋白抗原だけではなく脂質抗原をも認識する能力を有することは、免疫応答の特異性と効率を高める上で、極めて重要である。それと同時に、蛋白・ペプチドと異なり、脂質には容易に変異を導入することが出来ないことから、脂質をターゲットにしたT細胞反応は、効果的な感染制御の手段となり得よう。
細胞内寄生細菌である結核菌は、MHC分子を介した免疫監視から巧みに逃れている。さらに疎水性脂質に富む強固な細胞壁を有するがゆえに、さまざまな物理化学的環境にも耐え、長年にわたって生体内で生き延びることが可能である。興味深いことに、CD1分子は、結核菌細胞壁を構成するこれらの脂質・糖脂質を結合し、キラー活性を有するT細胞に抗原提示する。CD1分子によって提示される結核菌細胞壁脂質の多くが、結核菌の生存に必須であり、その一部は結核菌のビルレンスファクターであることを考え併せると、CD1分子を介した免疫応答が結核菌感染制御に極めて効果的であることが推察できよう。
CD1分子を介した結核菌感染制御のしくみを、免疫学的・細胞生物学的見地から解析し、議論してみたい。

参考文献
1. Sugita M&s_comma; et al. Cytoplasmic tail-dependent localization of CD1b antigen-presenting molecules to MIICs. Science 1996; 273:349-52.
4. Sugita M&s_comma; et al. Separate pathways for antigen presentation by CD1 molecules. Immunity 1999; 11:743-52.
8. Sugita M&s_comma; et al. Failure of trafficking and antigen presentation by CD1 in AP-3 deficient cells. Immunity 2002; 16: 697-706.


世話人:東京大学医科学研究所
感染遺伝学分野 三宅健介, 免疫調節分野 高津聖志

108-8639
東京都港区白金台4-6-1
東京大学医科学研究所
感染遺伝学分野
電話 03-5449-5290
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