***** seminarMLから情報転載 *****
東大医科研学友会セミナーの通知をお送りします。

日  時: 平成13年10月3日(水) 15:00 から 16:00

場  所: 東京大学医科学研究所 白金ホール会議室
(南北線白金台下車、医科学研究所生協の建物の2階です。)

講  師: 岡野 光夫(おかのてるお)教授
      東京女子医科大学医用工学研究施設

演  題: 細胞シート工学と再生医療

概  要:
細胞を自由に接着、増殖させ、必要なときに脱着させて移動、移植させる技術は、細胞から組織・器官・臓器を再構築させるための基盤テクノロジーであろう。岡野教授は温度変化で固体表面の性質が疎水性から親水性へ可逆的に変化させることのできる新技術を世界に先駆けて開発することに成功した。これにより、細胞を単層培養化した後に、温度低下のみで剥離、回収し、細胞シートを自由に操作できる技術を実現した。従来のようにディスパーゼやトリプシン処理によって剥離した場合には、細胞間ジャンクションおよび接着表面のタンパク質が破壊されてしまうのに対し、温度応答性表面上で剥離した細胞シートは、細胞間ジャンクションのみならず、接着面でのタンパク質を保持し、細胞シートの構造と機能を十分に維持させていることが明らかとなった。このような方法により、肝実質細胞シートに血管内皮細胞シートを重層化させ、in vitroで肝小葉構造モデルの形成を行い、単独培養では約一週間の寿命である肝実質細胞を何ヶ月もの間、機能を維持して培養させることに成功した。また、心筋細胞シートを重層させることを可能とし、拍動している細胞シートを重層化させることにより、その拍動を同期させると同時に、電気刺激でその動きを制御できることを示した。すなわち、心筋細胞シートを重層化させるという新手法により、心筋組織を再構築できる手法を提案し、それを実証することに成功した。
 以上の例のように、岡野教授は細胞シートをユニットとして器官・組織・臓器を三次元構築する全く新しい概念とテクノロジーについて系統的な研究を進め、皮膚、角膜、肝臓、腎臓、肺、血管などのバイオ人工臓器の基礎と臨床応用の追究を進めている。

世話人:浅野 茂隆、高橋 恒夫(takahasi@ims.u-tokyo.ac.jp)


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