米国で第四回米国遺伝子治療学会の参加中の琉球大学医学部解剖学第2講座の石田昭彦氏の現地からの最終報告。同氏自身、遺伝子治療の研究を手がけており、専門家から見た、遺伝子治療の最前線をお届けする。


 遺伝子治療学会4日目を迎えた。今日も朝8時からセッションが始まった。High Schoolの教員を対象とした教育プログラム開催されていた。技術的なことから倫理的問題まで幅広い内容が話されていたが、とてもわかりやすく、聞き入ってしまった。
 米国でのバイオの取り組みは将来の研究者に向けてまで行われている。日本は教育改革が行われ、来年度から学習内容も大幅に削られ、ゆとりの時間をさらに増やし、個性を伸ばしていくそうだが、はたして思惑通りいくであろうか。技術立国日本の行く先は如何なものか。
 午後はレトロウイルス、アデノウイルス、AAV、などのVector Productionのワークショップが開催された。ご存じの通り、米国ではベンチャー企業だけでなく、国立機関の遺伝子治療用ベクターの生産、供給施設が設立され、実際にベクターの供給が行われている。日本でもベクター供給体制の確立が常に取り出されているが、国も大手製薬企業も一向に動く気配がない。
 国内のバイオベンチャーであるメドジーンバイオサイエンスやアンビス(先端医学生物科学研究所)が独自のベクター供給に取り組もうとしているが、国のバックアップがほしいものである。
 米国遺伝子治療学会は6/3の午前中まで行われる。来年は大リーグの野茂が活躍しているボストンで開催される(6/5-9)。ボストンには多くのベンチャー企業が設立されている。大リーグでは日本人旋風が吹き荒れているが、遺伝子治療の世界においても日本人研究者が活躍することを願っている。また、ボストンの初夏はとても新緑が美しく、ハーバード大学やMIT(マサチューセッツ工科大学)などの名門大学があり、”学問の街”ならではの熱気にみちあふれたところである。今年以上に熱い学会になることを期待してやまない。
 これで第4回米国遺伝子治療学会のレポートを終了させていただきます。
 それにしてもイチローの人気はすごい。マリナーズのショップでもイチローグッズはほぼ売り切れ。もうじき皆さんの手元にも今回の学会参加者からイチローグッズのお土産が届くことでしょう。それでは。(石田昭彦@Seattle)


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