フランスLyon市で開催されている国際会議、BioVisionで、米国Cerela Genomics社社長のCraig Venter氏が、2月9日にヒト・ゲノム配列の解読が終了したことを宣言、詳細は来週発表する予定だ(日本時間、2月11日午後9時半に報道解禁)。同社のヒト・ゲノムに関する論文とデータに自由にアクセスできるようになった(下記参照)。

 同氏は講演で、ヒト・ゲノム配列をプリント・アウトした模造紙大の紙を広げ、聴衆に示した。同氏はBTJ読者のために、ヒト・ゲノム配列の一部とともに写真に収まった。視力の特に優れた読者は解読できるかもしれない(同社のScience雑誌2月16日号に掲載するヒト・ゲノムの論文はここをクリックして自由にアクセスできる。Cerela社のサイトからヒト・ゲノム・データペースにアクセスする方法も明示されているはずだ)。

 肝心のヒト遺伝子の数については、記者の質問に「君の遺伝子の数と同じだ」(Venter氏)とはぐらかした。来週の同社のヒト・ゲノム解読で明らかにする予定だ。

 わが国では学術会議が、Cerela社のヒト・ゲノム配列の論文を公的なデータベースに寄託しないでも、米国Science誌が掲載する方針を発表したことに対して、講義の手紙を送っている。しかし、Nature誌、Science誌に匹敵するインパクト・ファクターを持つ米国Cell誌編集長のKevin Daoies氏は「個人的な見解だが、妥当な妥協だと思う」と語った。

 イネ・ゲノム解読もSyngenta社が終了するなど、今後、企業が生物のゲノム・シーケンスを自社資金で遂行することが増加することは避けられない。もし、公的なデータベースの義務付けを強化すれば、企業内で死蔵される可能性もあり、Science誌の決断は企業のエゴと科学の公共性を調和させる一つの方法かも知れない。

 ヒト・ゲノムの発表に関しては来週続報する予定だ。(宮田 満@Lyon)


欧州バイオ特集


+biovision+先端ゲノム+