農林水産省は、新プロジェクト「イネ・ゲノムシミュレーターの開発」の研究課題を募集中だ。最新情報と提案書様式は「バイオ関係者、皆のホームページ」人材・補助金欄でアクセスできる。


農水省新プロジェクト「イネ・ゲノムシミュレーターの開発」のための研究課題提案募集のお知らせ

(1月22日の説明会で公表された提案書様式、提出先と締め切りはこの文章の末尾にあります。)

 平成13年度から、「イネ・ゲノムシミュレーターの開発」と称する7年プロジェクトが年間約12億円の予算でスタートする予定です。前期3年間(平成13年度から平成15年度)の委託研究課題の提案を募集しますので、大学や民間企業の研究者・技術者の方々は奮ってご応募ください。農林水産省の研究機関には別途簡単なご案内が行きます。奮ってご応募ください。研究内容についてはこの資料及び農業生物資源研究所のホームページ(http://ss.abr.affrc.go.jp/ )を参考にしてください。

なお、プロジェクト説明会を以下のように開きました。
日時:1月22日(月)13:30-15:30
場所:農林水産省・農林水産技術会議委員室
申し込み:末尾の連絡先(先端産業技術研究課、川合)

1.プロジェクトの期間、予定参画機関、および予算規模
(1)研究期間:平成13年度から平成19年度(前期3年間、後期4年間)
(2)参画機関:農業生物資源研究所(主査)他独立行政法人、大学、民間企業
(3)予算規模: 12.35億円(13年度大蔵原案)

2.背景
 平成3年度から開始した農林水産省のイネ・ゲノム解析研究は平成10年度から第2期計画に入り、平成12年度からはミレニアムプロジェクトの一部となり、(1)国際協力によるゲノム塩基配列の解析、(2)イネ遺伝子破壊系統を用いた遺伝子機能の研究、(3)マップベーストクローニング(ポジショナルクローニング)、(4)DNAアレイを利用した遺伝子発現プロファイル解析、(5)組織中の蛋白質の網羅的解析(プロテオーム)など、イネ遺伝子の構造と機能の両面からの研究を、日本中の産学官の約200以上の研究室が参加して実施しています。農業生物資源研究所は、そのヘッドクオーターとして機能しています。さらにまた、平成11年度からは(6)イネ完全長cDNAライブラリーの構築のプロジェクトにも参加しています。

 ゲノム塩基配列から遺伝子部分を予測したり、様々なデータから遺伝子の機能を推定したりする上で、バイオインフォーマティクスあるいはゲノムインフォーマティクスと呼ばれる分野は非常に重要な役割を果たすと期待されています。また、膨大なゲノム解析データを使いやすいデータベースにまとめ、様々なタイプのデータベース間をリンクし、さらに統合型データベースを構築して、研究者に使いやすい形で提供することが求められています。当研究所が上記の各プロジェクトのヘッドクオーターであるので、これらのデータを統合的に扱える点は他の生物のゲノム研究には無い特徴であり、この強みを最大限に生かすことがイネゲノム解析研究の推進上で重要であると考えています。

3.目標
(1)プロジェクト達成目標
(ア)イネゲノム機能解析研究を促進するためのデータベース構築及びソフトウエアの開発
(イ)イネゲノム解析研究の成果を品種改良等に役立てるためのシミュレータなどの新しい情報科学的手法の開発

(2)具体的な個別目標
 具体的には7年間で以下の目標を達成したいと考えています。
(ア)イネゲノム(遺伝子)の生物学的な機能予測のための発現データ解析手法の開発
(イ)イネゲノム塩基配列高度アノテーション技術の開発
(ウ)イネ統合化データベース構築
(エ)植物生理学、植物育種学、作物学の各データベース構築
(オ)植物生体成分(代謝中間体)のハイスループット計測技術の開発とデータベース構築
(カ)各種ゲノムデータの再構築による植物システムのインシリコ再現と遺伝子破壊等のシミュレーションへの応用
(キ)植物細胞、組織、個体レベルの代謝・増殖・分化・発生のシミュレータの開発
(ク)イネ交配シミュレータの開発

4.前期の想定課題(案)
 個別の目標を達成するために下記の1‐1から2‐8のような研究課題が想定されています。これに限定はされませんので、修正案や代案を受け付けます。また、下記の想定課題をいくつか統合した提案も受け付けます。

(1)イネ・ゲノム統合データベースの整備
(1‐1)イネゲノム遺伝子モデリング及びプロモーター領域予測法の開発
(1‐2)イネゲノム予測遺伝子データベースの開発
(1‐3)イネゲノム塩基配列高度アノテーションシステム開発とデータベース構築
(1‐4)イネゲノム統合化データベース構築
(1‐5)イネゲノム(遺伝子)の生物学的機能予測のための発現データ解析手法の開発
(1‐6)植物生理学データベースの構築
(1‐7)植物育種学データベースの構築
(1‐8)作物学データベースの構築
(1‐9)イネ生体成分(代謝中間体)のハイスループット計測技術の開発とメタボロームデータベース構築

(2)イネ・ゲノムシミュレータの開発
(2‐1)各ソフトの標準化及びシステム解析の基盤技術の開発
(2‐2)各種ゲノムデータの再構築による植物システムのインシリコ再現(バーチャル イネ)
(2‐3)イネ遺伝子破壊実験シミュレータの開発(2‐2の後期?)
(2‐4)植物細胞(組織、個体)レベルの代謝・増殖・分化・発生のシミュレータの開発
(2‐5)植物細胞の環境応答シミュレータの開発
(2‐6)植物の光合成シンクソース変換シミュレータの開発
(2‐7)交配シミュレータの開発
(2‐8)イネ個体レベルの生育シミュレータ

(注1)データベース構築は、大学が基本設計を担当し、作業の一部を民間企業に外注することも可能です。あるいは逆に民間企業が受託し、大学と相談しながら構築する事も考えられます。
(注2)構築するデータベースや開発するソフトウエア類は、原則として農業生物資源研究所のゲノム情報センターの計算機(UNIXサーバ、Windowsパソコン等)で稼働できること。さらに、データベースや解析ツール類は、原則的にはインターネットで公開可能で、不特定多数の利用も考慮してあること。

 提案書には前期3年間の計画を書いてください。他の課題の内容が判らないと書きにくい部分もあるかもしれませんが、関連テーマとの摺り合わせが必要ならば、提案受付後に選定委員会(事務局)が提案者と相談して行っていきたいと思います。

 全ての課題は3年で終了し、後期は再度課題を募集します。前期後期続ける必要がある研究テーマは、前期3年間でどこまで出来るか、後期に何を行うかを書いてください。シミュレータ開発などについては、イネゲノムのデータが出そろうまでは、他の生物種のゲノムデータで研究を進め、イネのデータが利用可能になれば順次イネデータに置き換えて行くことも考慮せざるを得ないでしょう。

5.予算について
(1)平成13年度予算は総額約12億円ですが、このうち6億円を農水省以外の機関(大学、民間企業)への委託研究に充当する予定です。1課題あたり年間2000万円から1億円程度を想定していますが、提案の内容に応じてさらに増減が可能です。想定される経費としては、計算機リース代、人件費、プログラミングなどの外注(役務)経費、消耗品代などが考えられますが、各提案書に必要額と経費内訳を書いてください。

(2)プロジェクト開始後は、課題担当者は毎年度末の推進評価会議にて成果を報告します。その後、技術会議事務局の主催する評価会議にて外部委員による評価を行いその結果を次年度の予算に反映させます。従って2年目以降も初年度と同額が保証されている訳ではありませんので、予算計画にはご留意ください。

6.外部評価委員(内定)
 八尾 徹(理研)情報科学
 田畑 哲之(かずさDNA研究所)植物ゲノム学
 西尾 剛(東北大学)植物育種学、分子生物学

7.今後のスケジュール
(1)1月中にプロジェクト説明会を農林水産省で開催
(2)2月中旬ころ:計画書(提案書)締め切り
(3)審査委員会(必要に応じてヒアリング)(2月末までに課題内定)
(4)事前評価会議(3月):全ての内定課題の担当者がプレゼンテーションを行い、評価委員の評価に基づき採否の最終決定がなされる。

8.問い合わせ先
(1)研究内容について
農水省・農業生物資源研究所・分子遺伝部
肥後健一
電子メール: kenhigo@abr.affrc.go&s_comma;jp
(電話でのお問い合わせはご遠慮ください)

(2)緒手続きについて
 農林水産省・農林水産技術会議事務局・先端産業技術研究課・川合
電話:03-3502-8111(内線5174)
 ファックス:03-3593-2209
 電子メール:tkawai@s.affrc.go.jp

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「イネゲノムシミュレーター」研究課題提案書様式

1 研究課題名
2 研究担当機関及び研究責任者(電子メ-ルアドレスと電話番号を含む)
3 協力分担機関
4 平成13年度予算(人件費Žぞ談徂僻Žさヾ錺蝓櫂溝綸?ヒ
5 研究目的
6 具体的既往成果
(1)当該分野の研究の国内外の現状(文献リストをつける)
(2)提案者の当該分野での実績(業績リストおよび主要な文献コピ-を付ける)
7 細部計画
8 研究実施機関(3年間)にわたる研究の流れ(各年度の予算を含む)
9 研究終了時において達成が見込まれる具体的成果

以上の項目について
(1)全体でA4(40字X40行)5枚程度Ž〃喟?覆掘」
(2)電子メ-ルで肥後あてに提出。(6-(2)の主要文献コピーは郵送)
(3)提出先:
   kenhigo@abr.affrc.go.jp

   文献コピーの送り先
   〒305-8602
   茨城県つくば市観音台2-1-2
   農業生物資源研究所
   分子遺伝部長 肥後健一
(4)異なるテーマ、あるいは同じテーマで異なる予算規模の提案を、A案、B案、C案と3案まで出しても良い。A案を最優先とする。
(5)締め切り2月16日(金)


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