土曜日の夜に大連から関西空港を経由、羽田に到着いたしました。大連から関西空港まで飛行時間はわずか1時間40分でした。上海→大連、北京→大連、北京→大連もそれぞれ飛行時間が1時間半程度であり、大連を中心に円を書くと、北京、上海、大阪が収まる格好です。
 こんなに近い大国なのに、中国のことを私は余りにも知らなかったというのが今回の旅の結論です。今までわが国は欧米を向いて、産業や科学を発展させていけばよかった訳ですが、考えてみれば、欧州や米国が経済や分明で地球をリードしたのは極最近に過ぎません。
 産業革命から半世紀たった1820年でも、GDP(購買力平価換算)のランキングは、1位、中国、2位、インド、3位、フランス、4位、英国、5位、ロシア、6位、日本、7位、オーストリア、8位、スペイン、9位、米国、10位、プロシアでありました(「世界経済の成長史1820から1992年」、アンガス・マディソン、東洋経済新報社)。人類の歴史からいえば、欧米が世界で覇権を握った機関はわずか1世紀だけ。ほとんどの期間、経済や科学、文化の中心は南欧、中東、インド、そして中国を中心としたアジアにあったことを改めて認識して欲しいと思います。
 上海の南方ヒト・ゲノム研究センターでは、DNAチップを使って、漢方薬の作用機構や漢方薬の対象患者を見分ける証(個体差)を解明する研究が始まっていました。バイオでもアジアの復権の足音を聞きました。わが国の研究者や企業ももっとアジアに注目をして欲しい。12月24日、日経朝刊の中外時評「リオリエントなのか」というコラムでも、再び次世紀には文明がアジアに流れを変える可能性を指摘するコラムがありました。今回の取材で確信を持ちましたが、21世紀の胎動が中国にはありました。
 今回の取材では、宝生物工程有限公司の皆さん、中でも湯敏謙氏、また上海Hao Jia社Jaiang Weihao氏、それに北京の北京六合通技求友展有限公司の王克通氏には大変御世話になりました。お陰で、通常の取材申し込みではアポイントを取ることさえ大変難しい、中国家学院主席団成員のWu Min氏など、中国家学院院士3人を初め、15人の主要バイオ研究者と3社のバイオ・ベンチャー企業にも取材を行うことができました。
 中国では今月からヒトSNPs計画を初め、今年の6月からはバイオ・チップの国家センターを北京と上海(計画)に設立をすることが決まるなど、まさにバイオ研究開発ブームが盛り上がっておりました。米国帰りの若手研究者がベンチャー企業と国家の研究センターを兼務しながら、バイオ研究に猛進しておりました。
 これから正月にかけて、今回の取材記事を掲載します。正月には新春特集「中国のバイオ」もお届けする予定です。どうぞご期待下さい。(宮田 満)


特集「中国バイオ最新消息」