生化学若い研究者の会・大阪支部事務局が下記の要領で、花房秀三郎氏の講演会を11月18日に開催する。最新情報は、「バイオ関係者、皆のホームページ」学会研究会欄でアクセスできる。


生化学若い研究者の会・大阪支部主催 ラスカー賞科学者 花房秀三郎先生   講演会/日本生化学会後援


創設40周年記念 2000年冬の学校 御案内
もう間近に迫った21世紀これからの生命科学分野における世界的研究とは何か?

★★★★★★★★★★★ The 40th Anniversary ★★★★★★★★★★
◆日時:11月18日(土)
◆会場:関西大学千里山キャンパス 第5実験棟共同講義室
  阪急北千里線・関大前下車徒歩7分(阪急梅田駅・JR大阪駅より、所要時間20分)
◆参加費:無料(事前申し込みは不要、一般来聴歓迎)
◆プログラム:
11月18日(土)
 17:00から17:10 特別講演開催に際して
 17:10から18:40 生化学若い研究者の会創設40周年記念特別講演
             アメリカの科学の強さについて
花房秀三郎先生(大阪バイオサイエンス研究所長、米国ロックフェラー大学名誉教授)
 18:40から18:50 Closing remarks
 19:00から20:30 懇親会(新関西大学会館4F レストランBON PLAT)
★★★★★★★★★★★ The 40th Anniversary ★★★★★★★★★★


花房秀三郎博士(大阪バイオサイエンス研究所長、米国ロックフェラー大学名誉教授)

御略歴:1953年大阪大学理学部化学科卒業後、大阪大学理学部化学科特別研究員。1958年から大阪大学微生物病研究所助手としてお勤めになられたあと、渡米され、1961年米国カリフォルニア大学(バークレイ)ウイルス研究所にてポスドク、1964年フランスに移られコレッジ・ド・フランス(パリ)実験医学研究室研究員、1966年米国へ戻られニューヨーク公衆衛生研究所癌ウイルス研究部長、1973年より米国ロックフェラー大学教授(分子腫瘍学)、1986から98年同大学Leon Hess Professor、1998年同大学名誉教授。1998年より日本へ帰国され、同年10月より(財)大阪バイオサイエンス研究所長を務められています。

受賞歴:全部挙げるときりがないのですが、主な物としては、1980年ハーベイレクチャー、1981年(米)リケッツ賞、1982年アメリカ医学会最高峰ラスカー賞、1984年朝日賞、1985年(米)科学アカデミー外国人会員、1986年(米)癌学会クルー賞、日本癌学会名誉会員、1991年文化功労者、1993年(米)スローン賞、1995年文化勲章、1998年日本ウイルス協会名誉会員


「ノーベル賞へのサポートがアメリカにはたくさんあった。日本にいてそのまま残っていたら自由奔放にできない。しがらみにとらわれていた。」と1973年度ノーベル物理学賞受賞者の江崎玲於奈氏(現芝浦工業大学学長)

  果して、“アメリカの科学の強さ”とは一体何なのでしょうか?かつてアメリカはマンハッタン計画で軍事産業と原子力産業を、アポロ計画では航空宇宙事業とコンピュータ産業を世界一に仕立て上げました。そしてアメリカが次の目標に設定したのが、“ゲノムドリーム”。事実上アメリカの主導権のもとに完成したヒトゲノム計画、目標を明確に定めたときの強さは、まさにアメリカの独壇場といえる…

今回の講師である、花房先生はアメリカ医学会の最高峰とされるラスカー賞受賞者で、創設以来100年で21人ものノーベル賞科学者を生み出した米国ロックフェラー大学(大学院のみ、学部なしのいまはやりの、大学院大学)にて、1973年から1998年までの26年間、教授としてご活躍なされました。先生は人生の半分以上を日本国外、主にアメリカで御研究に従事されており、京都支部のセミナーで御講演のあった佐邊先生、東大医科研の澁谷先生も花房先生のお弟子さんにあたられます。

今回の内容は若い人向けということもあり、先生には、その内容は主に日米比較。大学学部を卒業するまでは、日本の方が勝っているのに、大学院の博士課程後期を修了したころには、すでに逆転されているどころか、その差は歴然。これはなぜ???というお話や、有意義な留学とは?これからの日本の若い研究者に期待することなどについて、先生が日頃率直にお感じになられていることも含めて80分御講演していただきます。

ここで、少し準備をしておきましょう。

これからは、日本人の研究者もどんどん世界に出て活躍する。そんなことが今まで以上に起こるのではないでしょうか。ひとくちに留学といってもその形態は様々で、正規留学としては、

1. 高校を卒業した時点で、アメリカの学部(undergraduate)に入学する。
2. 大学を卒業した時点で、アメリカの大学院(graduate school)に入学する。
3. 日本でPh.D.を取得したあとに、ポスドクとして留学する。が主に考えられます。

ことに、生物学分野だけに限定して言えば、世界で2万人受験しているアメリカの大学院の院試(GRE advanced test)の日本人受験者はわずか一桁。実に少ない!!

関西で一番のエリート女子高である、K女学院高校では、ここ3年間トップはアメリカの超トップスクールに留学している。彼女らの合言葉は「Harvard&s_comma;Stanfordが無理なら、東大(世界ランキング41位)」といった感じで、日本国内で進学することをあまり考えていない。これも時代の移り変わりなのだろうか。

この現象は実は、大学院レベルでも起こっており、各国のトップはこぞって自国のトップスクールよりもアメリカの大学院を選んでいる。

彼ら、彼女らが、アメリカを選ぶ理由はいったいどこにあるのだろうか?そのあたりも、米国ロックフェラー大学に26年いらっしゃった経験も交えて、触れていただきます。

もちろん日本のPh.D. ProgramとアメリカのPh.D.
Programの違いとアメリカに行くメリットなど。

若い研究者を一人前に育て上げ、その後もサポートする体制。研究費面での優遇。

これから、ポスドクとして渡米を考えている方にも耳寄りなお話が大いに期待できます。

以前にフルブライト奨学金の選考委員の一人に直接お話を伺ったことがあるのですが、ノーベル医学生理学賞受賞者で、MIT(マサチューセッツ工科大学)教授の利根川進博士は日本の学生に本当のことをしゃべらないで欲しいと各方面から言われている。と聞いたことがあります。というのは、もし日本の学生がアメリカの大学院の真実を知れば国内進学者が激減してしまい、世界へ頭脳流出することに危機感を覚えたからだとのこと。

果たして、アメリカの科学の強さはどこにあるのでしょう?それは御講演をお聞きになるまでのお楽しみ。

花房先生からこのようなお話を伺うことができるのは、生化若手の会ならではです。是非この機会をお見逃しなく!!

では当日多数の参加者がいらっしゃることを期待しつつ。この辺で2000年冬の学校案内号は終了とさせていただきます。

(完)

皆様のお越しを心よりお待ちしております。
by 大阪支部スタッフ一同