急速に進展する遺伝情報やヒト遺伝情報の多型に基づく革新的な医薬開発の現状を討議する「ゲノム創薬キーテクノロジー2000」が、下記の要領で9月14日、東京の薬学会館で開催される。最新情報は近く「バイオ関係者、皆のホームページ」でアクセスできるようになる。


ゲノム創薬キーテクノロジー2000の御案内

 生命のプログラムといえるヒトゲノムの秘める遺伝情報の全貌は、ヒトゲノム・プロジェクトにより、2000年6月26日ドラフトが公開され、2003年完了をゴールとして
明らかにされます。この重要な時期に、ゲノム創薬キーテクノロジー2000を御案内いたします。
 ヒトゲノム配列の解読完了は、最終的にゲノム創薬への貢献を期待する研究者にとってはスタートに過ぎません。疾患関連遺伝子の発見やヒト遺伝子の多様性を探求してゆくためには、先ずこのヒトゲノム配列解析の情報をもとに、全てのヒト遺伝子(ゲノム)の機能を網羅的に効率よく解析するキーテクノロジーを速やかに確立する必要性を認識しなければならないと考える次第です。
 ゲノム機能解析のプロトコールを考えると、まず、全長cDNA情報やトランスクリプトームおよび各種疾患・病態変化などと共に薬剤投与などによる発現変動する遺伝子の情報をDNAマイクロアレイ/DNA(ゲノム)チップ、およびFDDやSAGEなどの諸法によって遺伝子発現頻度解析を試みることであります。次いで、バイオインフォマティクスにより、狙いを定めて絞り込んだ候補遺伝子について、タンパク質を発現させてその機能を解析する。また、発現タンパク質の解析(プロテオーム解析)などのほか、機能を知る上で重要な配列モティーフ解析やタンパク質の3次元構造の推定から機能をin silicoで予測するテクノロジーも進展していますし、モデル生物や細胞を用いての機能検証も必要となります。
 医薬品の効力や副作用は個人それぞれによって現われ方は千差万別です。新しい学問として注目されている「薬理ゲノミクス」は各個人の遺伝子プロフィールから臨床評価(薬効及び副作用)の予測・予知を可能にするデータベースの構築を試みています。例えば個々人で遺伝子の構成ヌクレオチドの塩基配列の差のあることを多型(polymorphism)とよんでいるが、SNPs(スニップス:単一ヌクレオチド多型)を中核とした遺伝子多様性解析と薬の応答性(薬効や副作用)、あるいは薬物代謝のデータからその相関を求めて臨床評価の予測技術を確立することにより、臨床試験期間の短縮および適正使用の確度向上につながると思われます。
 ゲノム創薬フォーラムでは、1998年よりこれらのキーテクノロジーについても取り上げ、最近の急激な展開をテーマに実りある討論をしてまいりました。しかし、2000年に入り国際的動向はますます目を離せない状況となり、ゲノム創薬キーテクノロジーは、現実の研究戦略として避けられないものとなりつつあります。そこで、今回ゲノム創薬キーテクノロジー2000を企画し、皆様とともに考えてみたいと思います。特に実際研究活動に従事しておられる方やゲノム創薬に関心の強い若手創薬研究者に焦点をあて、今後のキーテクノロジーの展開と活用について、理解を深めたいと思います。皆様の積極的な御参加を、お待ちしております。

主催者
三重大学医学部・薬理学講座  田中利男
国立小児医療研究センター・分子細胞薬理 辻本豪三
協賛 ゲノム創薬フォーラム 代表 野口 照久


ゲノム創薬キーテクノロジー2000 プログラム

2000 年9月14日(木)
薬学会館

会費:ゲノム創薬フォーラム会員は無料、その他一般の方は3000円(教材代込み)

総合司会
田中 利男 (三重大学医学部 薬理学)

プログラム

9:30-9:35 開会の辞  野口代表

9:35-10:05  マイクロアレイ・オーバービュー
      国立小児病院小児医療研究センター・薬理  辻本 豪三

10:05-10:50  cDNAマイクロアレイの作成、実験操作と手技
国立小児病院小児医療研究センター・薬理   塩島 聡

10:50-11:35  発現解析:データ処理と扱いかた
ヘリックス・関先生

11:35-12:15  マイクロアレイデータの解析
デモンストレーション
GeneSpring Silicon Genetics社


講演演題:『GenExploreを用いたマイクロアレイデータ解析』
演者:『株式会社 帝人システムテクノロジー  井上 匡人(イノウエ マサト)』

12:15-13:30 昼食
*協賛企業ブースにて関連機器の展示とデモンストレーション。

13:30-15:00 各社プレゼン(一社15-20分)
(1)演題 :TaKaRa DNA Chip IntelliGeneシリーズおよびその技術紹介
演者: 宝酒造株式会社バイオ販売課 河村啓

(2)演題: GeneChipシステム ? ゲノム創薬研究に有効なテクノロジーとして
演者: 梶江 慎一(アマシャム ファルマシア バイオテク株式会社 ゲノミクス
部 テクニカルコンサルタント)

(3)演題:チップを用いないmRNAの網羅的な発現解析技術 (Engineering Cures Through Genes)
演者:Jeff Powell&s_comma; Ph.D (Director Pharmaceutical Collaborations&s_comma;
CuraGen Corporation)


(4)演題:DHPLC法による遺伝子変異の解析-特に”WAVE”DNA解析装置について”
 -Mutation Detection by using DHPLC Method- “WAVE” DNA Fragment Analysis
 System
演者:藤野 剛・社本 友紀 (桑和貿易株式会社)

(5)メイズ
演題:ESTのクラスタリングによるcSNPs予測
演者:湯野川 春信(株式会社メイズ)

15:00-15:40   午後の部1 プロテオミックス
東京都立大学大学院理学研究科生物化学専攻・磯辺俊明教授
「プロテオミクステクノロジーの現状と動向」

15:40-16:00 コーヒーブレイク

16:00-16:55  午後の部 2 Labs on Chips
1)演題:プロテインチップによるバイオマーカー探索
  演者:有國 尚(サイファージェン・バイオシステムズ  Ciphergen Biosystems KK)

2)演題:マイクロチップ
  演者: 小林 章一 ((株)島津製作所 分析機器事業部ライフサイエンス部)

3)演題:Nanogen社 NanoChipの原理と応用
  演者:谷口 昌弘(日製産業株式会社 ライサイエンス部)


16:55-17:00 閉会の辞
田中 利男 (三重大学医学部 薬理学)


+DNAチップ+プロテオーム+バイオインフォ+