バイオインダストリー協会(JBA)は、通産省の委託を受けて、遺伝子組換え製品検出システムの標準化を目指したプロジェクトに着手した。組換え製品を検出するための基本的条件や組換え製品の混入割合を計測する方法などに関する定量検査と定性検査の検討を行い、検出システムの国内外の標準化を図ろうというものだ。欧州で先行する検出法の標準化に対抗する動きだという。

 JBAの技術企画部の下に大学関係者、企業関係者、官僚などから構成される総合調査委員会と技術推進委員会(両委員会とも委員長は、東京都立大学名誉教授の奥山典生氏)を置いて検討を行う。JBAは、宝酒造、東洋紡、ロシュ・ダイアグノスティックス、東レリサーチセンターの4社に外注して試験研究を実施(外部協力として通産省の製品評価技術センターが加わる)して、標準化のためのデータを収集し、技術推進委員会に報告する。技術推進委員会は報告を基に検討審議を行った後、総合調査委員会に資料を提出する。総合調査委員会は、さらに検討審議を行った後、国内の標準となる検出システムを決めるほか、国際標準化に向けたISOへの提案を行う。定性検査の方法と定量検査の方法の両方を標準化し、国際規格として提案する計画だ。

 8月4日には第1回の総合調査委員会、技術推進委員会が東京で開催され、年間の実施計画などが了承された。次回の委員会は10月に開催される予定だ。

 JBAのプロジェクトは、大きく分けて検査対象製品の検討、定性検査に関する標準化、定量検査に関する標準化を行う。検査対象製品は、現在までに報告されている作物、及び未知の組換え遺伝子を含む製品の中から消費者の要求の高い製品を技術推進委員会と外注先各社で選定する。

 定性検査に関する標準化では、ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR法)に用いる鋳型DNAの抽出方法、精製方法の標準的工程の確立、PCRに用いるプライマーDNAの検討を行う。さらに、PCRの反応条件、電気泳動法の条件も確立する。また、蛋白の検出による定性検査についても検討を行う予定で、酵素免疫法(ELISA法)、ウエスタン・ブロット法を用いた方法の検討も行う。

 定量検査に関する標準化では、スイスHoffmann-La Roche社の定量化技術であるTaqMan法と同じく、Roche社のキャピラリーPCR法を用いたリアルタイム検出・定量ができるライトサイクラー法の標準化を行う。TaqMan法は蛍光プローブの設計、ライトサイクラー法については、蛍光プローブ、PCRの条件についての標準化を行う。(横山勇生)