ピューリフィケーションの祭典、MILLI-FEST2000(日本ミリポア主催)が東京三田の日本ミリポア本社で始まった。既に会場は予約で満員札止め。これからかずさDNA研究所ヒト遺伝子研究部長の小原収氏の講演が始まる。演題は「ポストゲノム時代のバイオテクノロジー」だ。
 現在までに約30種類の生物の全ゲノム解読が終了していると小原氏は冒頭に明らかにした。同氏の講演の詳細は、バーチャルMILLI-FEST2000でアクセスできる。
 現在、同氏は同研究所がゲノム解析を終了したラン藻のプロテオーム解析を紹介している。二次元電気電気泳動ゲルによってラン藻の蛋白を分離、約300のスポットを得ている。同研究所のプロテオーム解析の特徴は、蛋白を細胞内の存在様式に応じて分画した後に、解析している点だ。これによって機能をきめ細かく推定できる。実際には、膜結合、細胞外への分泌蛋白、細胞質蛋白、光合成に関与する葉緑体のチラコイド膜結合タンパクを分各して分析している。
 同研究所のウェブ・サイトでプロテオーム解析の結果は公開されている。
 現在までに、通常の開始コドンATGと希な開始コドンGTGに加えて、CTG ATT TTGをも開始コドンのチオニンとしてラン藻では使用していることがプロテオーム解析の結果判ってきた。こうした開始コドンは上流のCTリッチ領域と下流のAGリッチの領域に挟まれることが多く、こうした情報をエクソンを推定するソフトウェアの開発に役立てようとしている。
 また、ラン藻は真核生物に近い挙動を示すことも判った。大腸菌では20%しか翻訳後修飾を受けていないが、ラン藻のチラコイド膜に存在している蛋白は70%以上が翻訳後修飾を受けていることが明らかとなった。
 小原氏は「二次元電気泳動のプロテオームのデータベースを持っていれば、突然変異体などで活性化される迂回経路なども検出でき、突然変異の解析に役に立つ」と指摘した。
 同氏はまたプロテオームの限界も「ラン藻の全遺伝子3200の内、300の蛋白しか今の技術ではプロテオーム解析では見えない」として、mRNAレベルの発現パターンの解析も重要な情報を与えると付け加えた。但し「mRNAの量と細胞内の蛋白の量は相関しない。どうしても蛋白の量の測定も不可欠だ」(小原氏)。

 明日は組換え蛋白の製造と精製技術に関する講演がある。まだ、少しだけ席がある。BTJ読者はここをアクセスして申し込めば豪華プレゼントが当たる。(宮田 満)


動画(講演のさわり、やや暗い画面)
MILLI-FEST2000特集


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