スウェーデンKarolinska研究所は、99年度のノーベル生理学医学賞を、米国Rockefeller大学細胞生物学教授のGunter Blobel氏に授与すると、10月11日に発表した。99年度のノーベル賞で唯一のバイオ関係者の受賞となった。

 受賞理由は、同氏が分泌蛋白に特徴的なシグナル・ペプチドを発見、これを目印に分泌蛋白が細胞内の小胞体に移行することを突き止めた。更にこれを発端に、ミトコンドリアなど細胞小器官などに対する蛋白の移行も、ジップコードやアドレス・タグと呼ばれる特殊なペプチドによって決定されることを総合的に解き明かしたことだ。

 細胞内の蛋白の輸送機構の解明によって、組換え蛋白の分泌生産が可能となった。また、最近のゲノム解析などでは、シグナルペプチドや蛋白輸送の行先を決定するアドレス・タグなどを手がかりに未知の遺伝子の機能を推定することも行われている。

 同研究所は「蛋白輸送機構の解明は疾病の治療や、遺伝子治療の開発などに将来は貢献する」と受賞理由に明記している。(宮田 満)