
[1999-第31回]
日 時:1999年10月7日(木) 18:00から19:30
場 所:国際交流会館3階
テーマ:脳神経外科領域における無症候性腫瘍
(青森県立中央病院発信)
司会 青森県立中央病院 脳神経外科 田中輝彦
1. 脳ドックにおける無症候性脳腫瘍
えびな脳神経クリニック 蛯名国彦
1996.7.1-1999.8.1の間に、脳ドック施行例は1650例、異常発見率は、脳梗塞 465例(28.2%)、脳動脈瘤90例(5.5%)、これに加えて、脳腫瘍は15例(0.9%)であった。特に脳腫瘍の場合、無症候性であるが故に、clientの期待は、当 然のことながら極めて大きく、治療方針決定や病名告知を含め、インフォームド・コンセントは難しいことも少なくない。
2. 当院における無症候性脳腫瘍
青森県立中央病院 脳神経外科 西嶌美知春
過去3年6ヵ月間に経験した無症候性脳腫瘍の内訳は、悪性腫瘍13例、良性腫瘍13例である。悪性腫瘍の大部分は転移性脳腫瘍であり、原発巣が確定した後にスクリーニングとして脳CTを行った。 転移性脳腫瘍の原発の内訳は、肺がん9例、乳がん1例であり、数例に放射線治療を行った。良性腫瘍の大部分は髄膜腫でり、5例に手術を行い、7例は経過観察を行った。代表的症例を提示し、治療法について検討したい。
3. 無症候性脳腫瘍
十和田市立中央病院 脳神経外科 畑中光昭
初回診断時に手術をせず、経過観察した脳腫瘍症例のその後の経過、治療について検討した。未破裂脳動脈瘤と同様に治療決定には色々な要素があり、手術の適応の決定は容易ではなく、手術のタイミングを考慮した決定を、患者側の理解を得ながら行わなければならない。そのためにも、経過を見ることは大切である。