多地点合同メディカル・カンファレンス
   [1999-第30回]



   日 時:1999年9月16日(木) 16:30から18:00
   場 所:国際交流会館3階
   テーマ:膵疾患に対する新しい画像診
   (MRCP、ヘリカルCT、EUS、膵管鏡、バーチャル膵管鏡)
   (国立がんセンター東病院発信)

  司会 国立がんセンター東病院外科 中郡聡夫

1. 膵疾患におけるヘリカルCTの位置付け
     国立がんセンター中央病院放射線診断部  古川敬芳
 ヘリカルCTが臨床の場に登場して約10年が経過しようとしている。膵疾患に対しても様々なかたちで活用され、診断に貢献してきた。昨年からはマルチスライスヘリカルCTが登場し、さらなる機器の進歩がみられる。ここでは代表的疾患のCT画像 を呈示するとともに、CTを中心とした画像診断がどのように施行され治療法が選択されているか、各施設における検査の位置付けの違いなどにつき考察する。

2. 超音波内視鏡検査   
    愛知県がんセンター消化器内科(内視鏡部)  山雄健次
 超音波内視鏡検査(以下、EUS )は内視鏡先端に高周波の超音波振動子を備え、 十二指腸内腔あるいは胃内腔より走査するため、ほぼ膵全体を抽出でき、また病変部に近接できるため詳細な観察が可能である。今日、EUS は消化器がんの局所進展 度診断には必要欠くべからざる検査法としての地位を確立しているが、特に膵臓疾患に関しては微小病変の抽出には他の検査法より感度の高い検査法として評価されている。

 今回は膵がんの早期診断に対するEUS の有用性を述べるとともに、最近普及してきている超音波内視鏡下穿刺吸引法(Endoscopic ultrasound guided fine
needle aspiration; EUS-FNA)を応用した新たな診断・治療法についても紹介する。
 
3. 経口膵管鏡、膵管腔内超音波     
  千葉大学医学部第一内科  山口武人
 現在までに我々は、POPSを202例、IDUSを107例の各種膵疾患に施行した。膵がんのPOPS所見としては不整狭窄・閉塞、不整隆起、易出血性などが特徴であり、特に
良性主膵管狭窄と膵がんとの鑑別にPOPSは有用であった。IDUSは腫形成性膵炎と膵がんとの鑑別に有用性認められた。また、粘液産生膵腫瘍の質的診断と進展度診断にPOPS、IDUSは高い診断を有することが明らかとなった。POPS、IDUSの課題としては、膵管深部への挿入と病変部の的確な抽出、解像度などがあげられる。今後器具をさらに改良して、より高い診断能力を得られるようにする努力が必要である。

4. 膵疾患のMRCP診断
   杏林大学第一外科  杉山政則
 MRCPは膵胆道系を明瞭かつ非侵襲的に抽出できる検査法である。ERCPのように検者に特別な技術を要さない。正常例でもほぼ全例で、主膵管、肝外胆管から肝内胆管二次分枝が抽出可能である。MRCPではERCPと異なり狭窄・閉塞部の遠位側の情報が得られる。Billroth-II法やRoux-en-Y吻合などの術後症例でも検査が容易である。

膵疾患の診断においてMRCPはERCTにほぼ匹敵する成績が得られている。

5. バーチャル膵管鏡         
国立がんセンター東病院外科  中郡聡夫
 バーチャル内視鏡は、MRIやCTなどの高分解2次元データをもとにコンピュータ画像処理によって内視鏡画像を作成するシステムである。そして低侵襲、内視鏡の到達不能部位の観察、胆管、膵管3次元画像と同時表示による詳細な手術計画の実現等の利点を持っている。実際バーチャル膵管鏡により、膵管内乳頭腫瘍の嚢胞内を実際に内視鏡で観察しているかのようなインタラクティブなシュミレーション画像を作成することが可能であった。