米国Genentech社(カリホルニア州South San Francisco)と米国Alkermes社(マサチューセッツ州Cambridge)は6月13日、徐放性組換え型成長ホルモン「Nutropin Depot」の多施設フェーズIII試験の結果を、San Diegoで開催された内分泌学会年次総会で発表した。

 発表によると、徐放型製剤でもヒト成長ホルモン欠損症(GHD)小児の成長促進効果があることを確認している。今回の成果を受けて、Genentech社では近く米国食品医薬品局(FDA)に対し新薬承認申請を行うことも明らかにしている。

 「Nutropin Depot」は、Genentech社の組換えヒト成長ホルモン(hGH)と、Alkermes社の注射可能な徐放型の薬剤デリバリー・システム「ProLease」を組み合わせた製剤で、従来1日1回の注射投与が必要だったhGHの投与回数を、1カ月に1から2回にまで低減できるというメリットがある。薬剤を生分解性の微小球で包み込むことで、注射後に持続的に有効成分を放出させる技術を用いている。

 フェーズIII試験は、過去に成長ホルモン治療の経験のないGHD患者を対象に、米国の27医療機関で74人に対して実施した。最終的な投与量は同一にして、1カ月に1回または2回「Nutropin Depot」を注射し効果を比較している。その結果、投与開始から6カ月後の成長率は、いずれのグループも治療を受けない場合に比べ高くなっていた。また、同年齢の子供の身長分布図に占める位置もより高くなり、発育終了時の予測身長も向上していた。骨格筋の発達も適切で、参加した患者の93%が試験を完了できた。被験者の身長の伸びを年平均に直すと8.4センチとなった。この値は、従来のhGHを毎日投与した場合の成長率の分布の範囲内に入るものだ。(フリーライター・大西淳子)