多地点合同メディカル・カンファレンス
               [1999-第14回]

        日 時:1999年4月22日(木) 16:30から18:00
        場 所:国際交流会館  3階
        テーマ:Management of neutropenic fever
                         (青森県立中央病院発信)

               司会 青森県立中央病院 成人病内科 竹森 弘

新規抗がん剤の開発、抗生物質、 G-CSF製剤、5HT3受容体拮抗剤などの補助療法の進歩、末梢血幹細胞移植などの新技術の導入により、より強力ながん化学療法が可
能となり、がん治療成績の向上が得られている。忘れてならないことは抗がん剤は正常組織にもつよい有害反応を引き起こす薬剤であり、そのコントロールは治療成績ならびに患者の QOLの向上のためにも重要な課題となることである。今回、抗がん剤の有害反応のなかで、早期に認められるneutropenic feverの現状とその対応を討議したい。

1.Management of febrile neutropenia for lung cancer patients
                  国立がんセンター中央病院 内科 山本 昇
 肺がん化学療法(NSCLC、SCLC)においてはCDDP、CBDCA、docetaxel、paclitaxel、CPT-11など複数の抗がん剤を組み合わせた多剤併用療法が大半を占めており、血液毒性、中でも好中球減少はきわめて高頻度に認められる副作用である。好中球減少時の感染症対策、発熱時(febrile neutropenia)の抗生物質投与などは化学療法の成否を左右するものであり、その標準的なmanagementについては精通しておく必要がある。肺がん患者においては、原発巣占拠部位、術後肺予備能、肺合併症などにより肺感染症のリスクが増大することが予想されるが、基本的方針は他の固形腫瘍と類似する点が多い。今回は当院呼吸器内科におけるfebrile eutropenia 発現時の対応状況を中心に、その基本方針について報告する。

2.Management of neutropenic fever
青森県立中央病院 消化器内科 斎藤

 固型がん化学療法時における白血球減少と発熱との関係について、当科で行っている対策について検討する。固型がん(特に消化器がん)の化学療法時の白血球減少
はGrade の高いものは少なく、好中球減少も同様の傾向にあり、有熱期間も短く、抗生剤とG-CSF製剤の併用で十分対応可能であった。

3.血液疾患におけるNeutropenic Fever
青森県立中央病院 成人病内科 久保 恒

 血液疾患の治療中には重篤な顆粒球減少を見ることが多く、感染症が死因となる割合も高い。 昭和62年から平成10年の間に当科で死亡した血液疾患患者172名の死因を検討した結果、感染症死48%、腫瘍死34%、その他18%であった。こうした感染症は、高度の顆粒球減少時に発生しており、カルバペネムとアゾールの併用下に発生したケースが多かった。これらの症例で、細菌学的検索から同定された原因病原体は、細菌、真菌とも多剤耐性のものが多かった。抗生剤投与下の培養検査は、陰性に終わる事が多いが、陽性となったときの、臨床的意義は大きかった。