新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

 99年のバイオテクノロジー関連分野で注目する技術の1つはインフォマティクス技術です。情報処理技術を駆使することで、遺伝子配列などの情報を創薬などに直接結びつけようとする試みや、コンビナトリアルケミストリー・ライブラリーを作製し、有用な分子を探索する研究がいよいよ現実のものとなりつつあります。遺伝子解析が進むなど莫大な情報量の蓄積が起こり始めたバイオテクノロジーとわが国がもともと強みをもつ情報科学技術の融合の時代が来たようです。通産省が進めるバイオ・インフォマティクス技術の研究開発プロジェクトもますます強化されています。
 98年12月に横浜市で開催した第21回日本分子生物学会では、「遺伝子ネットワークシミュレーションと遺伝子発現プロファイル情報の解析」という題目でインフォマティクス技術に関するワークショップが開催されました。当日は会場の許容量を遙かに超える聴講者が集まり、研究者のバイオ・インフォマティクスへの関心の高さが現れていました。
 しかし、発表の中には夢のような話もあり、全体的に見て現時点では実用化レベルまで達していない感は否めませんでした。最大の原因は、インフォマックス技術を使うことで具体的に何ができるようになるのかが明白でなかったからだと思います。にも関わらず、廊下まで溢れた聴講者が制限時間を超えても減らなかったのは、今後の研究開発においてインフォマックス技術が不可欠であるという認識が研究者の間にあったからではないでしょうか?

 99年には、情報系エンジニアと生物系研究者の協力体制、共同研究が進展するでしょう。思考回路の異なる両者の共同作業から新しいアプローチが生まれるはずです。

 99年には、バイオ・インフォマティクス関連の記事を今までよりも積極的に取材していきます。(坂田亮太郎)