明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。

 98年は「環境ホルモン」という言葉が誌面をにぎわし、着床前診断など生殖医療に関わる倫理的な問題への注目も集まりました。環境ホルモンと生殖技術とは対極にある言葉のようですが、科学技術と社会との関わりという共通項があるように思います。

 2000年を直前に、バイオ技術は着実に日常生活に入り込んできています。しかし、社会概念は本来保守的なもの、無口で説明のない技術に対しては、社会は心を開いてくれないでしょう。今後、可能なかぎりスムーズに研究開発の成果を社会に定着させるためにも、各国の国民性や倫理観を理解したうえで、社会的受容(パブリック・アクセプタンス)を得るための努力がますます必要になりそうです。

 さて、99年の展望ですが、バイオ・レメディエーションの実用化にゼネコン各社が本格的に乗り出し、バイオ環境技術の市場が拡大しそうです。通産省によると環境ビジネスの市場は現在15兆円、2010年には35兆円規模になると予測しています。バイオ技術が応用範囲を広げ、どれだけ環境ビジネス市場拡大の波にのって市場を広げられるか、柔軟な発想と信頼性のあるデータの蓄積にかかってきそうです。(小板橋律子)