新年、あけましておめでとうございます。1900年代最後の年が始まりました。今年が、来る新しい世紀を切り開く、光り輝く年となることを心より期待しております。

 農業バイオ・ビジネスに訪れている大変革の波は、とどまるところを知りません。99年からは第3幕が開けてきそうです。第1、2幕であった農業バイオベンチャーの買収、種子企業の再編は98年でほぼ終了しました。そして、第3幕は農業バイオを手掛ける大企業同士の、事業強化と生き残りをかけた再編となりそうです。植物バイオ技術を持つ者と持たざる者の間の技術格差は加速する一方です。その格差を広げるため、あるいは埋めるための合併や提携がこれまで以上に高まることでしょう。

 上位10社が世界市場の8割を握る寡占市場である農薬業界は、バイオという新しい技術・商品の登場により、新しいビジネス・ルールに対応しなくてはならなくなり始めています。農業バイオに決して積極的ではなかったドイツBASF社やドイツBayer社も重い腰を上げはじめており、上位10社すべてがバイオ強化で出揃おうとしています。新ルールへの対応の鍵の1つとなる農業ゲノム解析には、既に数億ドルという巨額の資金が必要となり始めています。資金確保のためにも企業規模の拡大が不可欠な状況になりつつありのです。

 再編の萌芽は既に現れています。98年12月には、ドイツHoechst Schering AgrEvo社とフランスRhone-Poulenc社の合併発表に続き、英国Zeneca社がスウェーデンの医薬大手Astra社との合併を発表しています。石油部門売却で巨額の資金を手にした米国DuPont社や、農業バイオ強化を宣言した米国The Dow Chemical社の動きは注目すべきでしょう。もちろん、米国Monsanto社も進行中のリストラが一段落すれば、次の1手を打ってくるはずです。そして、最も大切なことは、戦略的再編なのか、防衛的再編なのかという点です。バイオが切り開く新しい市場への1番乗りを目指す強者連合なのか、技術進展に遅れた企業同士が相互補完を図る弱者連合なのか、その見定めが重要となります。(村岡真一郎)