皆さん、おはようござます。スコットランドでの取材を終了、本日の午後2時のアイスランド航空に乗り、いよいよアイスランドの首都、Reykjavikに出発します。今回の旅で最も日本から遠ざかることになります。97年に開発してインターネットによるウェブマガジン編集システムが機能するか?かなり緊張しています。本日のGlasgowは晴れ、風も今のところなく、穏やかな飛行となりそうです。

 Glasgowでは接続する時間によって、回線状態が必ずしも良好とはいえず、データ転送速度が遅く、画像ファイルなどを送るのに大変苦労、送りながら寝てしまうという経験もしました。また、アクセスポイントの混雑具合では回線が途中でしばしば切断されることにもなかされました。多分、これは日本でも同じことでしょうが、1)何回も諦めずにアクセスポイントに接続する、2)なるべく空いている時間にアクセスする、Glasgowでは夕方は絶望的でした--という教訓を得ました。

 17日はスコットランド東海岸のDandeeで、ガン抑制遺伝子p53の発見者であるD.Lane氏(写真)にもじっくりインタビューする機会を得ました。同氏は、英国Dundee大学の教授とベンチャー企業である英国Cyclacel社の創業者・主席科学責任者(Chief Science Officer)を兼務、ばりばりのビジネスマンにも見えました。最近、米国Liposome社からスカウトした社長をかき分けて、会社の説明をとうとうと一人で続けたエネルギーはたいしたものでした。間違いなく、5年以内にLane氏はノーベル賞を受賞するでしょう。一流の学問と商売気は両立することを強く感じました。わが国の大学の先生はどちらか片方に偏る傾向が強すぎます。詳しくは別の記事で報告いたします。

 Dundee大学では青いミラー・ガラスに覆われた近代的なビルが目を引きました。英国の基金Wellcome Trustが寄付した建物です。細胞シグナル伝達に関与するリン酸化の巨大な研究グループが編成されていました。英国Wellcome社の大株主であった同基金は英国Glaxo社との合併に伴い、Wellcome社の株を売却、それによって獲得した巨額な資金によって、英国全土の主要大学に次々と近代的な研究センターを創設しています。英国Edinburgh大学では発生生物学の研究センターを建設中でした。こうした積極的な基礎生物学への投資は必ずベンチャー企業の創設につながり、英国のバイオテクノロジーを底支えするものです。

 英国Glaxowellcome社の誕生によって、職を失ったWelcome社の元研究者が大学に戻り、猛烈な勢いでバイオ研究によって捲土重来を狙っていることと合わせ、今後の英国のバイオ発展の基盤が強化されつつあります。わが国の製薬企業の中には将来の展望も失い、ただ資産によって生きているだけという企業も散見されます。スコットランドに来て体感しましたが、これは資本と時間、そして人材の国家的損失に過ぎません。製薬企業の経営者は自覚を持って、合併や買収など、劇的な業界再編成に挑まなくてはなりません。しかも、残された時間はほとんどありません。

 どうも海外にいると愛国的になり過ぎるきらいがありますが、上記のことはそれを差し引いても喫緊の課題であります。それでは皆さん、お元気で。(宮田 満 in Glasgow)