島津製作所・つくば技術センター・ライフサイエンスグループ(リーダー:西村直行主任研究員)は、従来、多くの手間と時間を要した生体試料からのDNA分離・精製操作を一切不要とした、今までにない新しいタイプの遺伝子増幅用前処理試薬“AmpdirectTM ”を開発し、同社・ライフサイエンス機器部から6月24日より発売を開始した。

血液などの生体試料には、色素蛋白質や糖類など、遺伝子増幅反応を阻害する種々の物質が含まれている。従って、生体試料に含まれる細胞中の遺伝子を増幅する前に、煩雑なDNAの分離・精製操作が必須であった。今回、同グループは、これらの増幅阻害物質の作用を効率的に抑制する物質を見出した。本物質を含有する新試薬“AmpdirectTM ”を使用することにより、何らのDNAの分離・精製操作を行うことなく、生体試料から直接遺伝子増幅を行う事が可能となり、簡便かつ短時間の検査を実現した。

今回発売する“AmpdirectTM ”は、人血液用とマウス血液用の2種類で、価格は両タイプとも25&s_comma;000円(100回相当分)、初年度5&s_comma;000個(両タイプ合わせて)の販売を計画している。

なお同社は引き続いて血清用、唾液用、臓器用、糞便用なども順次発売する計画である。これにより昨年に続いて今夏も感染者の大量発生が危惧される腸管出血性大腸菌「O-157」や臓器移植に伴う組織適合性検査、癌遺伝子検査、将来的には新生児の出生前診断や高血圧・糖尿病などの遺伝子病の遺伝子レベルでの診断・予防など、様々な研究や検査への応用の拡大が期待される。