EuropaBio&s_quote;97もやっと終幕し、昨夜からオランダ北部の工業と大学の都市Groningenに移動、今日から3日間、オランダ全土を駆け巡り、日本には馴染みの薄いオランダのバイオ・ベンチャーの現状をレポートします。
 オランダが最も繁栄した17世紀を黄金の世紀と当地では呼びます。東インド会社を英国に先んじて設立、スペインの植民地を奪取して行われたアジアとの貿易が巨大な富をもたらした時代です。しかし、その富をオランダが学術の振興にも注いだことを忘れてはなりません。Leiden大学は1575年に創設、解剖や物理の実習講義を行った大学として有名です。Groningen大学は1614年に創立されました。こうした新教系の大学は、カソリック系の権威主義から自由であったため、古典をただ講義する授業よりも、実験を通して自然から学ぶ現在の科学的精神を芽生えさせました。顕微鏡を発明したのはオランダ人のレーウェン・フックでした。
 また、Leiden大学の医学教授兼化学教授兼植物学教授であったブールハーフェは、17世紀のバイオのスーパースターで、患者のベットサイドで行う臨床講義を始めたことでも有名です。この時期より約200年遅れて、わが国の西洋医学研究の端緒となった解体新書が翻訳されました。鎖国という事情もありましたが、これがオランダの解剖学書の翻訳でありました。
 オランダは今、医学、農業、酪農分野の研究で世界をリードする研究者や研究企業を抱えています。Groningenには雪印乳業が研究所を開設、また、3年前にオランダに進出したヤクルトが、オランダBioscreen社と提携、DNAプローブを活用した腸内細菌の共同研究を行っているなど、目はしの効く企業の姿がちらほらしています。
 現地の回線の事情にもよりますが、ニュースがあり次第速報いたします。(宮田 満 in Groningen)