フランスMoet Hennessy Louis Vutton社が毎年授与しているユニークな「芸術のための科学」賞の授賞式が、東京で29日に行われ、日本人ではダ・ヴィンチ優秀賞に、魚の色素胞の研究で東邦大学理学部生物分子科学教授の藤井良三氏と光学活性ポリマーの合成とその応用研究で、名古屋大学工学部応用化学科教授の岡本佳男氏(写真左)が選ばれた。今回の受賞のテーマは形状の起源。単なる新発見を評価するのではなく、科学的研究の中から、芸術へのインスピレーションを与える業績を表彰した。

 96年度の科学大賞は、花の形状を支配する遺伝子群を発見した、米国California工科大学生物学部長のE.Msyerowitz氏と英国John Innes Center科学研究所長のEnrico Coen氏に与えられた。トランスポゾン・タッギング技術を利用して、シロイヌナズナの花弁変異遺伝子をクローン化したまた、審査員名誉賞に病原性プリオンと正常のプリオンがアミノ酸配列は同等であるにも関わらず、分子構造を劇的に変えて病原性を獲得、クロイツフェルト・ヤコブ病や狂牛病などプリオン病の原因となることを解明したことを評価し、米国California大学San Fracisco校神経生物学教授のStanley B. Prusiner氏と同大学内科教授のFred E. Cohen氏に与えられた。特定の分子構造の変化が疾病を引き起こすという新概念の発見が受賞の決め手となった。

 同時与えられた芸術大賞は若く才能溢れる建築家・彫刻家、 Maya Lin氏に与えられた。風景を作品が作り出す力を秘めた同氏の創作活動が評価された。