新型インフレンザH5N1情報、
(97年12月19日現在)

 香港で発生した新型インフルエンザ・ウイルスは、97年12月19日現在、10人(香港政府発表)に達し、予断を許さない状況となってきた。これまでの情報を以下に整理した。

香港への旅行者への新型インフルエンザ情報
12月19日発表(香港政府保健部)
  まだ大流行に至っていない。新型インフルエンザH5N1型といえども、予防方法は通常のインフルエンザと同じ、免疫力を高め、人込みを避けるなど。

患者治療マニュアル(香港Hospital Authority発表;香港の公的病院管理機関)

患者治療マニュアル(12月16日発表)
   早期治療、アマンダジン投与などを勧告
   市民には、禁煙、栄養、程度な運動と睡眠でインフルエンザを予防することを呼びかけ

   アマンダジンはわが国ではノヴァルティスが意欲改善剤などとして販売、現在、インフルエンザA型の予防薬
  として適応拡大を検討中(日経バイオテク・オンライン調査)。

   アマンダジンについての解説

患者治療マニュアル追補(12月19日発表)

   検査方法、患者の取り扱いの注意
   H5N1型は、空気感染しないが、5mm以上の唾液の粒によって感染。患者から3フィート離れれば感染の危険性減少

患者発生の経緯

最初の患者確認(97年8月20日発表)

 97年5月に、香港Queen Elizabeth Hospitalでインフルエンザに伴う肺炎とライ症候群で死亡した3歳の男児から、新型インフルエンザH5N1を発見。世界保健機構(WHO)を通じて、米国疾病予防管理センター(CDC)とオランダの研究機関がこれを確認した。世界で始めての感染者となった。H5N1型はこれまで鳥でしか感染を確認されていなかった。(香港保健部プレスリリース97年8月20日)

 当時、香港ではH3N2型とH1N1型が流行していた。

2回目の患者発生を確認(97年12月7日発表)

 12月6日に、54歳の男性と13歳の女児が、H5N1に感染したことを確認。54歳男性は12月5日に香港Queen Elizabeth Hospitalで死亡、13歳の女児はPrince of Wales Hospitalに入院(香港保健部プレスリリース97年12月7日)。

 この症例を切っ掛けに、新型インフルエンザH5N1の防疫対策が本格化する。

患者数7人に(97年12月16日発表)

 12月16日に、患者数7人を確認。年齢は2から54歳、男女比は4:3。早期治療ができなかった2人が死亡した。

 症状は、インフルエンザに酷似しているが、肺炎、呼吸器急迫症候群、腎炎などへの移行が早く、早期治療を呼びかけた。インフルエンザの発症を呼ぼうするアマンダジンの投与を勧告した(香港保健部プレスリリース97年16日の1)。

ヒト-ヒト感染の疑い(97年12月16日発表)

 2例の患者が、先に発症した患者の従兄弟でお見舞いなどしばしば患者と接触があったことが判明(香港保

 まだ可能性に過ぎないが、ヒト-ヒト感染の可能性は、新型インフレンザにまたまったく免疫力のないヒトの中にこのウイルスが大流行を引き起こす危険性を示唆する。ワクチンの開発や予防薬アマンタジンなど投与、国民との情報共有などを急ぐ根拠となった(香港保健部プレスリリース97年16日の2&s_comma;、香港保健部新型インフルエンザ特別調査班第一回報告書)。

患者数10人に(97年12月19日発表)

香港政府は、12月19日に新たに1名の新型インフルエンザ患者を確認、これで患者数は10人に達した(但し、2名はまだウイルス培養の結果で確認されていない(香港政府発表)。

患者一覧
1、 3歳男児、   H5N1感染確認、  死亡
2、 2歳男児、   H5N1感染確認、  全快・退院
3、 13歳女児、  H5N1感染確認、  重体
4、 54歳男性、  H5N1感染確認、  死亡
5、 5歳女児、   H5N1感染確認、  入院・症状は安定
6、 37歳男性、  H5N1感染の疑い、 全快・退院
7、 24歳女性、  H5N1感染確認、  重体
8、 2歳男児、* H5N1感染確認、  入院・症状は安定
9、 3歳女児、* H5N1感染の疑い、 入院・症状は安定
10、4歳男児、   H5N1感染確認、  入院・症状は安定

* ヒト-ヒト感染の疑い、症例5の5歳の女児の従兄弟


 今後も新型インフルエンザH5N1情報は続報する。(宮田 満)