ノーベル生理学・医学賞は、10月6日、米国California大学San Francisco校神経学教授Stanley Prusiner氏に決定したが、これをめぐるし烈な争いが世界の2大科学専門誌の間で繰り広げられていた。

 米国Science誌は、10月10日に発行される最新号で、Prusiner氏の「プリオン病に関する総説」を掲載すると、ノーベル賞の受賞(関連記事1)に合わせて、10月6日に発表した。通常は発行日の前日に報道解禁となるが、今回は特例で解禁日を早めて発表した。

 一方、英国Nature誌は、先週号で狂牛病と新型クロイツフェルト・ヤコブ病が同じタイプのプリオンで発症することを証明した論文を2本掲載した(関連記事2)。この論文では、Prusiner氏が開発したヒト・プリオン遺伝子を持つトランスジェニック・マウスが使用されている。

 残念ながら、わが国の科学ジャーナリストの間では、AIDSやノックアウト技術だなという噂が飛び交い、昨夜は一時関係者をマークしたが、空振りに終わった。

 今回は、ノーベル賞受賞者の読みの確かさで、Sceince誌に完敗した格好となった。(宮田 満)