1カ月ぶりにGreenInnovationメールでお目にかかります、日経バイオテク編集の 河田孝雄です。
このところ生物の進化の知見の急増を、生物多様性を守るためのカルタヘナ法の 発展にいかに結びつけていくべきか、取材を進めております。
直近では、今週火曜日(2015年10月20日)まで茨城県土浦市で開かれた第30回微 生物生態学会土浦大会を取材しました。参加者数は600人と、予想以上に多かった です(学会関係者には失礼申し上げます)。
9月の仙台の遺伝学会や、8月の都内の進化学会も取材しました。
[2015-9-25] 【機能性食品 Vol.206】仙台開催で水産学会500人と遺伝学会300人、 今日は日立市の森林総合研究所 https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20150927/187577/
[2015-8-27] 生物の多様性を守るためにゲノム編集技術を活用、水産分野で進展 【GreenInnovation Vol.290】 https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20150827/187079/
植物のカルタヘナ関連では今日、記事を日経バイオテクONLINEに掲載しました。
サントリーが青いカーネーションの鉢植えを日本で商品化へ、 2016年春にもカルタヘナ承認取得 https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20151021/188088/
一連のカルタヘナ法関連の動向の近未来を予測した特集記事を、来週月曜日発 行の日経バイオテクに掲載します。今回は、異種遺伝子(トランスジーン)を含 まない生物は、カルタヘナ法の対象外であることにフォーカスして記事をまとめ ました。
ゲノムサイズが高等生物に比べ、1000分の1くらいの小さな細菌についても、 トランジーンを含まない育種技術の発展があります。先週金曜日(10月16日) に都内で開かれた酵素工学研究会でも、その一端をうかがいました。
来週月曜日(10月26日)から鹿児島市で開かれる第67回日本生物工学会でも、 この関連の注目発表が盛りだくさんです。現地からも報道してまいります。
日経バイオテク編集部では、現在「日経バイオ年鑑2016」の編集作業に注力 しております。昨日は、キノコの情報をアップデイトできる取材に恵まれまし た。
福島県の阿武隈地域は、シイタケの原木生産に用いるほだ木を、県外にも 多数供給していました。福島県で、きのこ原木の放射性セシウム濃度を1本当た り30秒で、非破壊で検査できる機器の稼働が11月下旬から始まります。製造は 日立造船で、価格は1台3000万円。まずは1台が設置済みで、2015年度内に3台を 追加します。
林野庁が定めた指標値は、原木やほだ木の場合は1kg当たり50ベクレル。菌床 用培地や菌床だと1kg当たり200ベクレルです。
国が定める一般食品基準値である1kg当たり100ベクレル以下を、キノコで達成 するための指標値です。キノコのベクレル数は、原木栽培の場合は原木の2倍に なり、菌床栽培の場合は菌床の半分になることが分かっているようです。
平成になってから栽培技術が確立されてきた、菌床栽培のシイタケの生産量が 全国で年々増えています。10年前の05年に生産量がほぼ同等となり、今や菌床栽 培シイタケが原木シイタケの2倍近くになっているようです。
日経BP社 日経バイオテク編集 河田孝雄