アグリバイオ最新情報【2015年7月31日】のハイライト
       ISAAA日本バイオテクノロジー情報センター(NBIC)の冨田房男代表

7月のハイライト

 ISAAAは、遺伝子組換え作物の承認件数を集めてGM承認データベースを作成した。これをみると食用へのGM作物及びその製品の動きがよくわかる。20年以上にもわたり増加が続いていることに反対を唱える人々はどうとらえているのだろうか? 正しく科学的に証拠立てられたものを受け入れられない日本の状況は実に分からない。先月も申し上げたが日本の科学に対する一般国民の理解度の少なさを嘆かわしく思う。

 農業の新たな局面として、うまく土地の利用を行えば本当に持続的な農業が可能になると考えて間違いないと思う。この点で最近海洋資源の減少が問題になっている。北海道では漁業資源がロシアに縛られるのは大きな問題だ。この点でオメガ3の油を植物で作るのは確かに合理的だろう。遺伝子組換えカメリナでの研究は、注目に値するのではないだろうか?

 今月は、小麦の組換えに関する話題が目立っている。アブラムシ抵抗性の育種は注目できる。しかもヨーロッパで行われているのは興味がある。しかし最終的にはEUでは、組換え作物栽培は政治問題であり、まだまだ商業化は難しいだろう。この点で、Global Agricultural Information Network (GAIN) 報告書が興味深い。ドイツは、日本と同じくGM製品を相当消費しているにもかかわらずその反対運動が盛んとのことである。この点では、我が国も似たようなものだろう。しかし、ドイツの企業が遺伝子組換え種子を世界に向けて売っているのは事実だ。Bayer CropScience社、BASF社、KWS社が有名である。現在これらの研究センターが米国に移動しているとの報道がある。この点は、我が国も見習う(?)必要があるのではないだろうか?

世界

遺伝子組換え(バイオテク)作物の承認の世界的推移(1992から2014)
OECDとFAOの報告書が2015年から2024年により高い農業生産と低価格の食料が提供されると予測
バングラデシュ農村振興委員会(Bangladesh Rural Advancement Committee、 BRAC)の創設者が2015年世界食糧賞受賞者に決定

アフリカ
ガーナでのBtワタの試験で、よい結果を得た
THOMSON氏は、アフリカでのGM作物導入が遅いことを説明

南北アメリカ
アルゼンチンでの第一号ストレス耐性ダイズが先に進む
米国農務省動植物衛生検査局(APHIS)は、MON87403に関する環境アセスメント(EA)と
予備植物病害虫リスク評価案をパブリックコメントとレビューに向けて公表

アジア・太平洋
オーストラリア農業生産者は、GMキャノーラの栽培を増やした
イネを改良する遺伝子が発見された
インドMODI首相が第二の緑の革命を呼びかけた
Commonwealth Scientific and Industrial Research Organization (CSIRO)の科学者たちが健康的なパン用小麦を開発

ヨーロッパ
ROTHAMSTED研究所が、GM小麦の圃場試験の結果を公表
GE製品の主な消費者であるドイツがGlobal Agricultural Information Network (GAIN)報告書を公表
GMカメリナの初年度圃場試験結果が公表された
二つの GM作物が、EUへの輸入が承認された

研究
アビジン遺伝子を発現する遺伝子組換え小麦は、小麦ゾウムシに抵抗性を示した

文献備忘録
ISAAAは、「予想を超えるもの: 2014年TOPバイオテック/ GM作物関するトップ10の事実」を発行

国際アグリバイオ事業団(ISAAA)アグリバイオ最新情報【2015年7月31日】
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20150806/186742/