Wmの憂鬱、ゲノム編集を規制すべきか? 技術依存規制からの卒業【日経バイオテクONLINE Vol.2296】

(2015.08.06 19:00)1pt
宮田満



 諸説紛々でありましたが、正式に2015年8月3日より、日本遺伝子治療学会は名称を、日本遺伝子細胞治療学会に変更いたしました。CAR-T細胞療法など、exo vivoの遺伝子治療でもある組み換え細胞治療が急速に普及しつつあることに対応したためです。既に欧米の遺伝子治療学会は名称を変更しており、日本もそれに追従した格好です。しかし、日本遺伝子細胞治療学会が世界のイニシアチブを取った重要な日米遺伝子細胞治療学会の共同声明が、今月号のMolecular Therapy誌に掲載され、8月4日に記者会見が大阪で開催されました。ゲノム編集技術をヒト受精卵やヒト生殖細胞に応用する実験の禁止を強く呼びかけた画期的な声明です。急速に進むゲノム編集技術がいよいよ社会と摩擦を生じ始めたのです。しかし、この議論は技術に拘泥すると大きな誤解を生む可能性があります。組み換え農産物(GMO)の世界最大の輸入国の消費者がGMOを理解せず、まだ一粒も食べていないという幻想に生きている日本という歪んだ構図が、再びゲノム編集でも誕生する可能性があります。もうそろそろ技術ではなく、出来上がった製品(PRODUCT)で、リスクやハザードを評価して、社会の受け入れや表示を決めるシステムに転換する必要があるのです。

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