こんにちは。三週に一度、メルマガを担当しています副編集長の久保田です。今日は、仙台市で開かれている日本動物細胞工学会に取材に来ています。

 午前中のセッションでは、国内の複数の製薬企業が、バイオ医薬や抗体医薬の製造上の課題や高効率製造法の確立に向けた手法や工夫などを発表。この手の発表をあまりしていなかった製薬企業も登場したので、いろいろな意味でとても新鮮でした。

 ちなみに個人的には、ゲノム編集技術が抗体医薬の製造の高効率化(具体的には高産生株の開発)にどのような影響をもたらすのか、に興味があったのですが、現状では巨大な抗体の遺伝子をチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞に数コピー入れるのは手間も時間もかかる割に、そこまで高生産株ができるわけではないとのこと。

 加えて、最も使い勝手の良い、第三世代のCRISPR/Cas9に関しては、特許権者が明確になっていないこともあり、積極的に使うのはためらわれる状況のようでした。現状では、主としてランダムインテグレーションによる遺伝子導入を利用する方が大勢のようです。同学会については、週明けにもニュースにしたいと思いますので、しばしお待ちください。

 さて、話は飛びますが、次号の日経バイオテクの特集では、国内外で、臨床検査機器や試薬の研究開発・製造・販売を手掛けるシスメックスを取り上げました。十数年前は地方の一企業に過ぎなかった同社は、今やグローバルに事業を展開する企業に成長を遂げました。2015年3月期の業績も、14期連続の増収増益と絶好調です。

 果たして、この勢いを今後も維持することができるのか。それは同社が、これから到来する個別化医療の時代に、世界でどれほど存在感を示せるかにかかっているとも言えるでしょう。特集では、遺伝子や細胞、蛋白質のそれぞれについて、次世代の測定プラットフォーム開発に邁進する同社の戦略をまとめました。ぜひ、お読みください。