4月28日、欧州議会(EP:European Parliament)は、欧州連合(EU)のバイオ燃料政策の変更を承認しました。
http://www.europarl.europa.eu/news/en/news-room/content/20150424IPR45730/html/Parliament-supports-shift-towards-advanced-biofuels

 2009年に制定された再生可能エネルギー指令(RED:Renewable Energy Directive)では、加盟国に2020年までに輸送エネルギーの少なくとも10%を再生可能エネルギーとすることを義務付けていましたが、今回、農地で栽培された作物から得られる第1世代バイオ燃料の輸送用燃料としての使用量を、最大で7%とする上限値を設定しました。

 また同時に、廃棄物や残留物、藻類などの代替資源を原料とする先進バイオ燃料から得られるエネルギーの割合を2020年までに0.5%にするという目標を掲げています。EU加盟国は18カ月以内に、廃棄物や残留物、藻類などを原料とする先進バイオ燃料の各国の目標を設定する必要があります。

 これまでEUは、炭素排出量を削減するためにバイオ燃料の利用を促進してきました。しかしこのことにより、世界の食糧供給量が減少し価格高騰を招いているとの批判や、バイオ燃料の原料を栽培するための森林伐採がバイオ燃料使用の効果を相殺しているとの懸念が表明されていました。

 今回の改定では、穀物由来バイオ燃料の使用に上限を設定することに加えて、バイオ燃料用作物の生産用に農地を切り替え、この不足分を補うのに必要な食用作物を栽培するために新たに土地を開拓することによって引き起こされる温室効果ガス排出(indirect land-use change:ILUC)について、燃料供給業者は排出量を見積もって報告しなければならなくなりました。

 さて日本では、2012年の政府のバイオマス事業化戦略では、2020年までに燃料としての利用量が原油換算で1180万kL(現在国内で1年間に消費されている量は6000万kL)とされています。糖質やセルロースからのバイオエタノール製造の実証実験が各地で行われていますが、地域振興、地産地消といったところでしょうか。目立つのは藻類からの先進バイオ燃料です。
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20150303/182943/
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20150120/181738/

 そしてNEDOなどが建設を進めていた、微細藻類由来バイオ燃料製造のための国内最大級の屋外培養設備が鹿児島県に完成したようです。この詳細は、近いうちに日経バイオテクで紹介する予定です。
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100354.html

                       日経バイオテク編集長 関本克宏

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