(編集部注)この記事は、国際アグリバイオ事業団(ISAAA)によるアグリバイオ最新情報【2015年3月31日】の日本語訳を掲載したものです。

世界

国連首脳会合から:女性農民が食料および栄養保障達成の鍵である

 食糧農業機関(FAO)、国際農業開発基金(IFAD)、世界食糧計画(WFP)の指導者が、2015年3月6日にイタリアローマに集まって、国際女性デーを祝うとともに女性農民が食料および栄養保障達成に果たす役割にハイライトをあてた。上記の国連機関の指導者は、女性農民に力を与え、食料安全保障と栄養を達成に役立ように取り組んでいる。彼らはまた、ジェンダーの平等と女性の権限の強化が農村部の貧困を減少させるためになることを強調した。

 IFADの長であるKanayo Nwanze氏によると、発展途上国の男性は、より良い賃金の仕事を得るために都市部に移転している。だから、女性は、農場の世話をするために農村部に残されていることが「農業の女性化」につながっている。

 Nwanze氏は、「女性が、作物を育て、食品を加工し、その家族に十分の食料を与え、栄養を十分に与えることを確実に行っている」と述べた。「地域の女性があまりにも頻繁に、骨の折れる仕事をしている。女性の社会的、経済的地位を向上させるために、我々は、女性が地域経済で果たしている重要な役割をよりきちんと認識する必要がある。農村の女性がその技術を向上させ、資産を得られるように務め、農業生産と流通に関与する機会を増やすべきである。食料と栄養安全保障を達成するために女性の地位向上に協力し、その家族や地域社会のために役立ちましょう!」とも述べた。

詳細については、FAOからニュース記事をご覧ください。

世界種子市場報告2015が公表された

 Market Reports からの2015年版種子市場報告によると、バイオクノロジー種子市場は、商業種子部門で最も急成長している分野である。人口増加や耕作地の減少が予測される中で、従来の種子より形質の改善が進んでいる遺伝子組換え(GM)種子の需要が高くなることは予想されるところである。

 「市場の成長を牽引すると予想されている重要な要因は、世界人口の増加、害虫抵抗性とスタック種子分野の成長であり、遺伝子組換え作物の急速な導入である。注目すべき業界動向の中には、種子会社の合併や買収および他のものよりGM作物が好まれることがあげられる。しかし、業界はGMの承認のタイムライン、種子の品質認証システム等や国際的な果物と野菜の種子貿易の減少などに脅かされている」と報告書に述べられている。

詳細は、Market Reportからの報告をご覧下さい。

アフリカ

ナイジェリア上院でバイオセーフティ法案が通った

 2015年2月27日に上院議員Emmanuel Bwacha氏 と Robert Borriface氏によって提案された国家バイオセーフティ管理庁の設立法案2015を、ナイジェリア上院は全会一致で採択した。この法案は、農業・農村開発と科学および科学技術に関する共同委員会の報告書によるものである。

 管理庁は遺伝子組換え生物(GMO)やそれ由来の製品の安全な使用、取扱いおよび輸送を管理する。それには、あらゆるGMOの移送、リスク評価、および導入のための手順や法律に違反した場合の罰則を規定している。

 「バイオセーフティ法の欠如が、効果的に法定の機能を実行し、ナイジェリアへの技術に夜恩恵をもたらすことを難しくしていた」ことを問題としてきた連邦環境省やその他の関連機関によって、上記が主導されてきた。

 国立バイオテクノロジー開発機構の全体のメンバーとスタッフは環境の連邦環境省と共同で、上院による法案の通過を感謝した記者会見で、バイオセーフティ法案を通したことに対してナイジェリア上院に感謝した。

 法案は、下院で第3回目および最終同意を得て、ナイジェリア大統領の最終決定を待っている状況にある。

詳細については、国立バイオテクノロジー開発機構のRose S.M. Gidado氏と以下のサイトで連絡をとってください。
roxydado@yahoo.com

タンザニアはバイオ規制を最終決定した

 科学技術大臣Makame Mbarawa氏によると、タンザニア政府はバイオテクノロジー研究を可能にするための環境規制を確定した。彼は、先週あった科学技術委員会(Costech)での議会委員会によるツアー中にこれを述べた。

 今年初め、Jakaya Kikwete大統領は、政府が行動を起こすためにバイオテクノロジー研究を行うように科学者を喚起した。しかし、タンザニアの研究者は、農業バイオテクノロジーの開発と応用で問題が起こった際の行政処分の責任を負うという2009年バイオセーフティ法の規則によってその動きが妨げられていた。

 大臣はまた、タンザニアは、公共部門と民間部門の助けを借りて、研究に集中するべきと強調した。

全アフリカについての詳細な情報が入手可能になっている。
アフリカのバイオテクノロジーについての詳細は、以下のアドレスのMargaret Karembu女史と連絡を取ってください。
mkarembu@isaaa.org

南北アメリカ

スマートフォンがGM表示議論を終わらせる

 米国農務長官Tom Vilsack氏によると、スマートフォンが、バイオテクノロジー食品の表示問題の解決手段となる可能性があると述べた。彼は農業支出に関する下院の公聴会で議会のメンバーに先週これを述べた。Vilsack氏は、消費者が単に食品の包装に特別なコードをスキャンするためにスマートフォンをかざすことで内容を読みとれる。食品についての関連情報、例えばGMの製品を含むどのような成分があるかどうかを知ることができる。しかし、食品包装の表示は、食品医薬品局の下にあるのでVilsack氏の言葉は単なる提案であって正式なものではない。

原記事は、The Christian Science Monitorに掲載されている。

GMダイズ油は従来のダイズ油と同一

 カリフォルニア大学Riverside校(UCR)の科学者によって行われた研究は、GMダイズの種子から製造された遺伝子組換え(GM)ダイズ油は、従来のダイズ油と同じであることを明らかにした。しかもインスリン抵抗性(インスリンを利用できない状態)を生じないという1つの利点があることが分かった。

 UCRとカリフォルニア大学Davis校の共同研究科学者は、マウスで両方の油の効果を比較した。彼らはまた、肥満、糖尿病および脂肪肝を誘発するという点で、GMダイズ油は、通常のダイズ油と同じように健康によくないことを見出した。植物油は、これまで不飽和脂肪酸が高くまた水素化することで貯蔵寿命および温度安定性があがり、より健康的であると考えられていた。しかし、水素化が広く不健康であると認識されてきたトランス脂肪酸を生成する。

 リノール酸がダイズ油の代謝効果の原因であったかどうかを判定するために、研究者は、通常のダイズ油をGMダイズ油で置き換えた並列食餌試験を実施した。チームは、マウスがインスリン感受性のままであり、幾分脂肪(脂肪)組織を有していたことを除いて、通常のダイズ油食餌と同じようにGMダイズ油も体重増加と脂肪肝を生ずることをこの並列食餌試験で見出した。

より詳細な研究内容はUCRのサイトをご覧ください。

米国の消費者は、遺伝子組換えジャガイモに多くお金を支払うことをいとわない

 アイオワ州立大学(ISU)の経済学者Wallace Hoffman氏が行った新しい研究では、消費者が、癌に関係するとされているアクリルアミドの低下した遺伝子組換え(GM)ジャガイモ製品により多くのお金を支払うことをいとわないことがわかった。米国食品医薬品局(FDA)は、この物質を含む食品を削減するように国民に求めてきている。

 Hoffman氏の研究は、GMジャガイモ製品に向けて消費者の対応を測定しようとしたものである。彼の研究の結果は、消費者は、従来のジャガイモよりもアクリルアミドの形成を減少したGMジャガイモ製品により多くを支払うことをいとわないことを示した。Hoffman氏は、消費者は、遺伝子組換えの場合にも、安全性の強化された食品に多くを支払うことをいとわない証拠を示す結果だと述べた。

 アクリルアミド暴露の危険性と遺伝子組換えによる製品中のアクリルアミドの劇的低減に関する情報を提供されると、ジャガイモ5ポンド入りの袋に1.78米ドル多くを支払うことをいとわなかった。参加者はまた、彼らは、アクリルアミドへのヒトの曝露の科学的な意味を説明する資料を受け取った後に冷凍フライドポテトのパッケージのための余分な1.33米ドルを支払うことをいとわなかった。

詳細については、ISUのウェブサイトでニュースリリースをお読みください。

TED2015会議で植物遺伝学者が語った

 カリフォルニア大学Davis校のPamela Ronald女史は、カナダのバンクーバーで2015年3月16-20日に開催されたTED2015会議での講演者の1人だった。Ronald女史は、病気に耐性及びストレスの耐性植物を作る遺伝子の研究に取り組んでいる。

 研究をしながら、彼女は、有機農家Raoul Adamchack氏の妻である。彼女の講演で、彼女は自分と彼女の夫が共通の目標を持っていることを強調した。即ちよい食料を育てることである。 「20年にわたる慎重な研究、独立して行われた厳しい審査の結果、世界中の主なる科学者の団体は、遺伝子工学の過程は、遺伝子改変の古い方法と同じくらい安全かより安全であると結論付けている」と、Ronald女史は述べた。

 彼女は、そのTED講演を以下の言葉で締めくくった。「私を怯えさせているのは植物遺伝学に関する大声での反論と誤報であり、これが貧しい人やこの技術を最も必要とする人々が、十分に食べ物がある人々によって起こされた恐怖と偏見のために、これらの技術を手にできないことにある」

TEDのブログで彼女の話の詳細についてご覧ください。
TEDライブでの有料TED2015会談も見ることができます。

InnateジャガイモとArcticりんごに米国FDAは安全承認を与えた

 米国食品医薬品局(FDA)は、ArcticリンゴとInnateジャガイモの評価を完了した。 FDAは、バイオテクノロジー食品が従来の品種などと同じく安全かつ同じ栄養価であると結論した。

 Arcticリンゴは、褐変の原因となる酵素の量の減少を通じて切り傷や打撲によって生じる褐変に抵抗するように遺伝子改変がなされている。

 J.R. Simplot Companyによって開発されたInnateポテトは、打撲による黒点あざが少なく、収穫後の食品廃棄品が少なく、より利便性あるなど従来のジャガイモの品種よりも多くの利点がある。遺伝子組換えジャガイモは、また齧歯類に発癌性であることが見出されているアクリルアミドの生成を低減するように改変されている。

 ニュースリリースによると、FDAは、この遺伝子組換え製品に関する追加の食品の安全性に関する質問をしなかった。

詳しくはFDAのニュースリリースをご覧ください。

カナダは北極リンゴの商業販売を承認

 Okanagan Specialty Fruits (OSF)が開発したArcticリンゴは、カナダ食品検査庁(CFIA)とカナダ保健省(HC)の評価後に、カナダでの商業販売が承認されている。 OSFにCFIAからの書簡によると、Arcticリンゴは、伝統的なリンゴの品種と同様に安全で栄養価が高いと結論付けている。一方、HCは、Arcticリンゴは消費のための安全性の問題はなく、また市販されている他のリンゴと変わらないすべての栄養価を持っている。従ってほかの品種と全く違わないもので市場にて入手できるとしている。

カナダ保健省の声明は、そのウェブサイトにある。 OSFもArcticリンゴのサイトにプレスリリースを出した。

アジア・太平洋

フィリピンは2014年にさらに遺伝子組換え作物導入を拡大

 遺伝子組換え作物の商業栽培の世界的な状況に関する2014年年次報告書がフィリピンで発表され、国際アグリバイオ事業団(ISAAA)がフィリピンの遺伝子組換えトウモロコシが引き続き拡大していることを強調した。

 2014年に製品化バイオテク/GM作物の世界状況に関するメディア会議がMakati Cityインターコンチネンタルマニラホテルで2015年2月27日に開催された。これは農業における大学院研究と研究のための東南アジア地域センター(SEARCA)との共催だった。 ISAAA報告書によると、約41万5000の小さく資源の乏しい農家からなるフィリピンが遺伝子組換え作物栽培国のトップ12に入っており、2014年に遺伝子組換えトウモロコシの推定栽培面積は83万1000ヘクタールである。2013年の79万5000ヘクタールの遺伝子組換えイエローコーン栽培面積からさらに増加しており、フィリピンに植えられただ1つの遺伝子組換え作物である。

 会議での講演者は、ISAAA理事長Paul Teng博士、ISAAAグローバル・コーディネータとSEAsiaCenterディレクターRandy Hautea博士、 ISAAA上席プログラムオフィサーRhodora Aldemita博士、遺伝子組換えBtナスの商業栽培に熱意を持っているBukidnon農場のEdgar Talasan氏だった。農務次官補と植物産業局長Atty. Paz Benavidez IIと学界からのEufemio Rasco博士が遺伝子組換えを支持し、その食料安全保障への貢献を確証した。SEARCAディレクターGil Saguiguit, Jr.博士は、その歓迎の挨拶で遺伝子組換えに関する科学に基づく情報と教育の大切さを強調した

東南アジア、フィリピンにおける遺伝子組換えに関するその他の最新事項は、SEARCAバイオテクノロジー情報センターのウェブサイトに掲載されている。質問や情報確認は、以下のサイトにメールで問い合わせください。
mmav@searca.org または smm@searca.org

ゴールデンライスはビタミンA欠乏症を克服するために後押しできる

 「ゴールデンライスは、子どもたちの希望であり、ゴールデンライスを市場に出すことは、子どもたちにより良い未来を与えることである」とグリーンピースの共同創設者兼グリーンピース元メンバーのPatrick Moore氏が、今やゴールデンライスキャンペーンの委員長と広報担当者として語った。彼は2015年3月9日に、ロスバニョス、ラグナ、フィリピンの農業における大学院研究と研究のための東南アジア地域センター(SEARCA)の農業開発セミナーシリーズ(ADSS)の中でこれを強調した。

 Moore博士は、ゴールデンライスなどの遺伝的に改変された生物(GMO)は害をもたらさないことを確証するとともに、人間もまた両親の遺伝子による遺伝子改変の産物であり、市販の製品は時間をかけて進化してきた最高の遺伝子および形質の組み合わせの結果であると付け加えた。ゴールデンライスは、人体に必要な必須ビタミンであるビタミンAの前駆体であるベータカロチンが入っている以外、今食しているコメと全く同じであると述べた。

 Moore博士と彼のグループは、2015年3月6日にフィリピンでのゴールデンライスアジアツアーを開始した。彼らは、遺伝子組換え批判家によってフィリピンのゴールデンライスに対する阻止活動に対する意識を高め、そしてその利点についての情報を発信することを目的とした。

この全記事はSEARCAのBICのウェブサイトで入手可能。
フィリピンや東南アジアの遺伝子組換えの最新詳細事項については、SEARCA・BIC websiteをご覧いただくかbic@searca.orgに電子メールを送信下さい。

ベトナムはダブルスタックトウモロコシの商業栽培を承認

 ベトナム天然資源および環境省(MONRE)がBt11? GA21ダブルスタックトウモロコシの商業栽培のためのトウモロコシ種子を2015/2016に使えるように承認したと、Syngenta社が2015年3月17日に発表した。Bt11の形質を含むハイブリッドコーンは、この地域で最も被害の大きいアジアコーンボーラーを制御できるようにしたものである。GA21はグリホサート耐性であり、農業生産者の雑草の管理に大きな柔軟性を与え、収穫を最大になるように支援できるものである。

 Syngenta社の最高執行責任者(COO)のDavor Pisk氏は、「ベトナム政府による決定は、農業生産者に農業技術のより広い選択肢へのアクセス権を与えるとともに、ベトナムへのSyngenta社の統合的提供への貴重な追加となる」と述べた。

詳細については、Syngenta社のウェブサイトのニュースリリースをご覧下さい。

ヨーロッパ

マックス・プランク研究所の研究者がコロラドハムシを制御する新しい方法を開発

 コロラドハムシは、殺虫剤に対する抵抗があり制御するのが最も難しい、しかも破壊的被害を及ぼす害虫の1つである。農薬以外にこの害虫を制御する手段がない。ここで新たに制御する方法が、マックス・プランク研究所の研究者によって開発された。これは、ウイルスに対する植物、真菌および昆虫を保護するRNA干渉(RNAi)の機構を採用することにより行われた。 RNAiは、宿主の細胞にウイルス病原体によって転送された二本鎖RNAを認識して働くことになる。つまりこの二本鎖RNAを切断して小さな干渉RNA(siRNAS)を生成する。siRNAは、その後外来RNAを検出し、破壊するために使用されることになる。

 このRNAiのメカニズムを、害虫に対する二本鎖RNAを生成するように核ゲノムを修飾することで植物を遺伝子操作するように利用したのである。しかし、これはあまりにも成功しなかった。そこで研究者は、核ゲノムではなく葉緑体ゲノムを遺伝子改変の対象としてtransplastomic植物を開発した。 transplastomic植物の葉をコロラドハムシの幼虫の餌としたところ葉が幼虫に致死的に働き、草食害虫に耐性を増加させた。この知見は、化学農薬を使用せずにコロラドハムシを退治する方法を提供する事になった。

研究の詳細は、マックスプランク研究所のウェブサイトやScience Magazine websiteでご覧ください。

バイオ経済同盟がEUとしての行動を求めた

 新たに設立されたヨーロッパのバイオ経済同盟(EBA)は、ヨーロッパでの競争力のあるダイナミックな、そして持続可能なバイオ経済を目指す長期戦略につながるより実現可能な政策を求めている。

 EBAのプレスリリースによると、バイオ経済の発展には、EUが農業、林業、海洋、および他の分野のために、総合的、首尾一貫した、調和のとれた政策の枠組みを提供することが唯一の達成可能なことである。そこで以下に示すような行動を求めている。

・バイオベース製品に対して市場先導イニシアティブを優先する勧告を実施する。
・農業と林業の生産性を向上させ、競争力のある価格で再生可能原料へのアクセスとその移動を容易にすることを加盟国に奨励する。
・バイオリファイナリーのような最初の商業活動への投資への障壁を明確にする。
・ヨーロッパのためのより競争力のある、持続可能なバイオ経済を形作る上ための議論を奨励して市民社会との関わりを持つこと。

EuropaBioのプレスリリースをご覧ください。

科学と科学技術委員会はGM作物のためのEU規則の変更を促した

 英国下院の科学と科学技術委員会は、英国でのGM作物の導入を妨げている現在のEU規制は目的にかなっておらず、遺伝子組換え作物を特性ベースのシステムで規制するように変更することを盛り込んだ報告書を発表した。

 委員会のAndrew Miller委員長によると、「多くの欧州諸国における遺伝子組換え作物への反対は価値や政治によっており、科学に基づいていない。科学的証拠は、遺伝子改変を使用して開発作物が人間、動物、環境に「従来」の技術を使用して開発した作物以上のリスクをもたらすことがないのは明らかである」としている。

 報告書は、GM作物に関するEU規制における三大欠陥を以下のように上げている。

・既存の規制は、GM作物は、他の技術を介して開発された作物よりも多くのリスクをもたらすという仮定に基づいている。このアプローチは、製品がどうやって作られたのかという過程に焦点を当てており、製品自体には焦点を合わせていない。
・現在のシステムは、GM製品の潜在的なリスクを強調し、これらリスクと農業生産者、消費者、環境へのベネフィットとのバランスを取っていない。
・現行の規制は、GM作物の挿入を許可または禁止するかどうかについて、独自の意思決定を行うために、EU参加国自体の決定を妨げている。これがGM反対参加国の技術に関する争いと不確実性を誇張することになっている。

 結論として委員会は、EU法に記載されている予防原則は、科学的証拠が不十分、結論が出ていないまたは不確実である場合のみに当てはまるものと述べている。

英国議会のウェブサイトで報告書をご覧下さい。

研究

ピーナッツ遺伝子がタバコの塩分・乾燥ストレスを軽減した

 非生物的ストレスは、多くの場合、活性酸素種(ROS)の形成を引き起こし、これが細胞損傷を引き起こし、光合成を阻害することになる。しかし、ROSの効果は、ROSの解毒に関与する最初の酵素であるスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)の抗酸化作用によって防止される。インドのJahwarlal Nehru UniversityのNeera Bhalla Sarinが率いる研究チームは、ピーナッツ(Arachis hypogaea)の耐塩性株からAhCuZnSOD遺伝子を単離した。

 非生物的ストレスの緩和に対するAhCuZnSODの役割は、遺伝子組換えタバコでのその過剰発現により評価された。遺伝子組換えタバコは、水の欠乏と塩分ストレス下で長く生き残った。遺伝子組換えタバコは、塩分と乾燥ストレスに対する耐性を向上し、再水和後の回復改善を示した。

 AhCuZnSOD遺伝子の過剰発現は、非生物的ストレスによって引き起こされる酸化的損傷を軽減するのに重要な役割を果たし得る。

遺伝子組換え作物以外の話題

携帯ゲームは、がんの治療法を見つけるのに役立つ

 Cancer Research UKとその共同研究者が携帯ゲーム(治療ゲーム-空間にある遺伝子)を開発した。ここでは実際の遺伝子データを分析し、癌を治すために科学者を助けてプレイヤーが力を集めるものである。

 プレイヤーの使命は、エレメントアルファと呼ばれる架空の物質を収集することである。これは癌の特定のタイプを理解するのに役立つ遺伝的癌データを表している。プレイヤーがエレメントアルファに向けたルートをマップすると、データ解析結果は、科学者に戻ってくるが、これを達成するには時間がかかる。これらのデータが癌に対する新しい治療法として利用できる。

ゲームの詳細またはゲームのダウンロードにはthe Cancer Research UK websiteをご覧下さい。

蚊のゲノム編集技術を開発

 バージニア工科大学の科学者たちは、CRISPR-Cas9として知られているゲノム編集方法を使用して、蚊の遺伝子を研究するための新しい方法を明らかにした。ゲノム編集は遺伝子を削除するか、追加することで生物がどのように影響されるかを検討する手法である。CRISPR-Cas9は、ゲノムの編集をより効率的にし、新たな蚊の駆除や病気の予防戦略の開発をスピードアップさせることになる。

 「我々は、病気を運ぶ蚊の遺伝子を評価するのにかかる人的資本を10分の1にカットできた」とバージニア工科大学のZach N. Adelman准教授が述べた。また「多くの研究グループは、5000の蚊の胚を4カ月もかけても解析することはできないが、我々は、同じ研究を1週間でできる能力を今備えた」とも述べている。

詳細は、バージニア工科大学のニュースでご覧下さい。